日立グループ館、燃料電池ビュワーで希少動物を見学:愛・地球博に行ってきました
次世代の電源として期待される燃料電池。日立グループ館で配られるビュワーには、カートリッジタイプの燃料電池が使われており、入場者は手に取って使用できる。
愛・地球博の日立グループ館の展示内容は、前半で絶滅の危機にひんした希少動物たちについての情報を知り、後半では乗り物に乗って、ジオラマと3DCGを組み合わせて再現された希少動物と触れあうというもの。前半で入場者に貸し出される情報端末「Nature Viewer」に、燃料電池が利用されている。
ミューチップリーダーで希少動物の情報を読み取る
館内には動物の絵が付いた細長い柱状の展示物がたくさん立っている。「アクセスポイント」と書かれた部分にはミューチップが埋め込まれており、そこをNature Viewerで読み取ることで、希少動物の情報が表示される。
読み取り精度は高い。アクセスポイントがうまく工夫された角度で付けられているため、ラフにNature Viewerを近付けるだけでも読み取れる。45度程度回転していても大丈夫だが、90度ずらしてしまうと読み取れないことが多い。180度回転させ、逆に向けても読み取れる。ミューチップとリーダーの間は5〜7センチくらい離れていても読み取れるそうだ。
一般入場者が燃料電池を使える初めての機会
Nature Viewerで利用されているのは、カートリッジ方式の燃料電池で、これまでも展示会などで発表されてきたもの(参照記事1/2)。一般入場者が手に持って、燃料電池を自由に体験できる機会は世界初だという。
リチウムイオン電池とのハイブリッド仕様で、燃料電池でリチウムイオン電池を充電しながら利用する。燃料電池のカートリッジは1日数本交換しているという。カートリッジには、5ccのメタノール水溶液が入っており、濃度は「十分薄く、燃えることはない。万が一漏れて、人体に付いたとしても害がない薄さ」(日立製作所)。
「万博のコンセプトが『自然の叡智』『環境』であることから、クリーンなエネルギーである燃料電池に目を付けた」(日立製作所)。また、日立グループ館のコンセプトも「ユビキタス情報社会の近未来を体験してもらう」というもので、燃料電池を体験してもらう機会として、モバイル向け燃料電池搭載端末の採用に踏み切ったという。
なお、Nature Viewerには、小型HDD「iVDR mini」が採用されており、動物の写真やムービー、解説などが収められている。iVDR miniはiVDRコンソーシアムが定めた規格に従って作られており、振動や衝撃に強く、持ち運ぶ用途や、リムーバブルデバイスに適したHDD。Nature Viewerで採用されているものには、2.5インチのディスクが1枚入っており、容量は20Gバイト。
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