「PENCKのフォントを作ったのは私です」──真の作者にKDDIが謝罪
KDDIが「サイトウマコト氏デザイン」としていた「PENCK」テンキーのフォント。真の作者である足立裕司氏の訴えから同氏の「Major Kong」であることが判明、KDDIが謝罪した。
KDDIのau design project端末「PENCK」(2月24日の記事参照)がデザインを巡るトラブルに巻き込まれた。端末のテンキーに使われたフォントをKDDIは「サイトウマコト氏の手によるもの」としていたが、実際には足立裕司氏の手による「Major Kong」フォントが使われていたことが判明。KDDIが足立氏に謝罪した。
この事実は、Webサイトによる足立裕司氏の訴えがきっかけでが明るみに出た。同氏はサイト上で、Major KongとPENCKに使われたフォントのアウトラインデータを重ね合わせるなどの検証を行い、自身のフォントと同じであることを主張。Major Kongについて“フリーフォントであり、商用利用の許諾の必要はなく使用料も無料だが、著作権は放棄していない”というコメントを出している。
KDDIは今回の事態について、「現場のやりとりの中で、互いの確認が行われていなかったことが原因」と説明。au design project担当者がフォントのデザインを受け取った際に「サイトウ氏のデザインのこだわりで選んだ数字」という説明を受け、KDDI側はサイトウマコト氏がデザインしたものだと認識。媒体の取材時などにもそのような説明を行ったという。
「著作者が分かっている場合は許諾を得るものというのが通例だが、PENCKに使われているのが『Major Kong』ということをKDDI側で把握していなかった」(KDDI)
KDDIは3月28日に足立氏のサイトの存在を知り、事実確認を行った上で足立氏に電話で謝罪。PENCK関連サイトに、「Major Kong」がPENCKのテンキーに使われていることを明記し、PENCKのフォントについて報じる記事を掲載したサイトには訂正するよう働きかけることで合意を得た。
デザインを担当したサイトウマコト氏も、既に足立氏に謝罪しており、問題解決のための話し合いを行っているという(3月29日の記事参照)。
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