電話帳も発着信履歴表示もなく、ディスプレイすらない──。大胆な機能の絞り込みが注目を集めたツーカーの「ツーカーS」(2004年10月の記事参照)は、ターゲットとなるシニア層の支持を受け、好調な売れ行きが続いている。
ただツーカーの場合、 販売地域は東京と東海、関西で、それ以外の地域に住むシニアユーザーが入手しづらいのが難点だった。
そこに登場したのが全国で販売網を持つKDDIの「簡単ケータイS」(9月6日の記事参照)。端末を開発したのは、ツーカーSを手掛けた京セラだ。
ツーカーSとの違いを中心に、簡単ケータイSの機能をまとめてみた。
なお、今回試したのは試作機のため、着信音量の大きさなど調整中の部分については試していないことをお断りしておく。
3つのワンプッシュボタン
ツーカーSとの大きな違いは、3つのワンプッシュボタンを備えている点だ。このボタンには、頻繁に通話する相手の電話番号を割り当てることが可能。「通話ボタン」を押して「ワンプッシュボタン」を押すと、登録した相手に電話をかけられる。
ワンプッシュボタンに登録した相手から電話がかかってくると、登録した番号のワンプッシュボタンと通話ボタンの両方が点滅して着信を通知。どちらのボタンを押しても通話を開始できる。
ワンプッシュボタンへの登録は、ボタンの長押しで行える。待ち受け時に登録したいボタンを長押しすると「プッ」という音がしてボタンが点滅。登録したい番号をテンキーで入力し、再度点滅しているボタンを長押しすると、「ピーッ」という音がして登録が完了する。
ワンプッシュボタンに登録していない相手への通話は、「通話ボタン」を押して「テンキー」で電話番号を入力、最後に「通話ボタン」を押すことで行える。発話キーを押すとスピーカーホンのような状態になり、「ツー」という音で電話がかけられる状態だと分かる。テンキーを押すとピポパ音がして、押したことが分かるのは便利だ。
大きくて見やすいボタン
ボタンはいずれも大きいものが備えられ、数字や文字はくっきりした太い文字で表記されている。キー類は「通話ボタン」を押すと光るので、暗いところで電話をする際にも困ることはないだろう。
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