写真で見る、デジタルテレビ対応の「Nokia N92」:Destination Nokia
モバイルテレビ(DVB-H)対応として知られる「N92」だが、そのほかのスペックでも超ハイエンド。複雑に変型することも見逃せない。
Nokiaが2006年半ばに初めて投入するモバイルテレビ内蔵端末が「N92」だ。ハイエンドマルチメディア端末Nseriesの中でも、特に機能満載端末でもある。
まず通信方式は、EDGE/GSMの900/1800/1900MHzに加えW-CDMAに対応。Bluetoothや赤外線通信ポートに加え、マスストレージクラス対応のUSB 2.0(端末後端のPop-Port経由)、さらにUPnP対応の無線LAN(IEEE802.11b&g)も利用できる。
最大の特徴は、デジタル方式のモバイルテレビ規格「DVB-H」に対応していることだ。これは欧州で策定されたモバイル機器向けのデジタルテレビ放送規格。欧州のほか、アジアとアフリカの一部などで採用される見通しだ。オーストラリア シドニーの展示会場でも試験放送が行われており、5チャンネルを視聴できるようになっていた。
DVB-Hは日本でいう「1セグ放送」に相当するが、1セグはISDB-Tという日本独自規格に則っており、互換性はない(2004年11月18日の記事参照)。
DVB-Hで流される動画像の形式は、映像がH.264/AVC(384kbps、15fps、QVGA)、音声が3GPP Rel.6で標準化されたeAAC+(48kbps)となっている。N92は本体内に90Mバイトのメモリを内蔵しており、3GPの動画フォーマットで録画が可能だという。さらに、RS-MMC/miniSDカードを差すことができ最大2Gバイトまで対応する。
液晶背面にはステレオスピーカーを備える。モバイルテレビの音をここから聴けるほか、音楽再生も可能。MP3、AAC、AAC+、eAAC+、WMAの各フォーマットに対応しているほかFMラジオチューナーも備えている。
バッテリーは通常の携帯電話の約2倍となる1500mAhのリチウムポリマー電池。連続4時間のモバイルテレビ視聴が可能だ。待受時間は14日以上、連続通話時間は4時間以上とされている。
まるで韓国メーカー端末のように、さまざまな形に変型するのもN92の面白いところだ。通常の折りたたみ型として通話に使えるほか、横方向に開けばモバイルテレビ視聴形態に。さらに液晶部をひねればカムコーダー形式でカメラ撮影可能なスタイルに変型する。カメラは2メガピクセル。ディスプレイはQVGAサイズだが2.8インチの大型だ。
機能的には隙のないN92だが、サイズも小さくはない。高さは107.4ミリ、厚みは24.8ミリと一般的だが幅は58.2ミリと広く、重さは191グラムある。
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