au design projectを率いた小牟田氏、KDDIを卒業
あの「INFOBAR」の生みの親がKDDIを卒業──。デザインコンシャスな携帯開発を推進する、au design projectを率いてきた小牟田啓博氏が4月末でKDDIを退職する。
KDDIのau design projectを率いてきた同社プロダクトデザインディレクターの小牟田啓博氏が、4月末付けでKDDIを退職することが分かった。KDDIによれば、小牟田氏の退職後も「au design projectは継続する」。
小牟田啓博氏は、2001年にカシオ計算機デザインセンターからKDDIに移籍し、au design projectを立ち上げたデザイナー。「デザインは良くて当然」「生活者の視点でものを考える」という、当時の携帯デザインに欠けていた部分を開発コンセプトとして掲げ(2004年10月の記事参照)、そのアイコンとなる「au design project」端末をディレクションした。
au design projectの1号機となる、深澤直人氏デザインの「INFOBAR」は、「ビジネスシヨウ 2002 TOKYO」に参考出展されると同時に大きな注目を集め(2002年5月22日の記事参照)、製品は品切れが相次ぐヒット端末となった。以降も深澤直人氏デザインの「W11K」や「neon」、マーク・ニューソン氏デザインの「talby」、サイトウマコト氏デザインの「PENCK」をディレクションするなど、携帯電話の世界にデザイナーとのコラボレーションブームを巻き起こした。その一方で、au携帯電話全般についてもデザインの底上げを図るべく、メーカー各社との連携強化に注力した。
au design projectが手掛けた携帯電話。左から「INFOBAR」「talby」「W11K」「PENCK」「neon」。完璧な仕上がりを目指して、素材や機構設計面でもさまざまな工夫がこらされている
デザイン関連のイベントでも、携帯デザインのあり方について自身の考えを積極的に話すなど、携帯デザイン変革期の立て役者的な存在だった。
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