機能よりデザイン? ドコモ中村社長が分析する携帯のトレンド(2/2 ページ)
NTTドコモは4月28日、決算説明会を開催した。2006年3月期の業績に加え、今後の事業計画や「どんな携帯が売れ筋なのか」など、幅広いトピックが話題に上った。
HSDPAケータイは「人口カバー率70%」へ
一方で、コアビジネスの強化も重要だ。この点で質問が集中したのが、今夏にも対応端末(4月22日の記事参照)が発売されると見られるHSDPAサービスになる。中村氏は多くを語らないが、東京23区から順次エリア展開して、2006年度末には全国の人口カバー率が70%になる見込みだという。
FOMAとムーバを比べた場合、ARPUはFOMAユーザーの方が高い。しかしHSDPAユーザーが増えても、ドコモ全体としてARPUの水準に変化があるわけではないようだ。
「HSDPA開始に伴い、FOMAの料金体系を変えようということは一切考えていない。エリアも当初は完璧に(基地局の敷設が)できているわけではないので、HSDPAエリアに入れば下り最大3.6Mbpsで、そのほかでは普通にFOMAで通信することになる」。HSDPA専用の料金プランが用意されるわけでもないとした。
KDDI&三菱東京UFJの「ケータイ銀行」をどう見るか?
4月26日に、KDDIと三菱東京UFJが「携帯電話の特長を最大限に活用した、これまでにない金融サービス」を開始すると発表した(4月26日の記事参照)。金融サービスに進出するドコモにとって、この陣営はライバルになるのではないのか。
中村氏は、KDDIとは対立するより協調していきたいとコメントする。「我々は最初から(金融サービスを)オープンにやりたいと思っていた。携帯クレジットサービスにしてもいくつかの方式が出ており、ユーザーの視点からすれば便利ではない。(事業者間で)何ができるのか、早晩に話し合いたい」
なお、ドコモとしてクレジットサービスは提供するが「銀行、というのは当面考えていない。クレジットで手いっぱいだ」とのこと。もちろん銀行業務とおサイフケータイは親和性があるので、提携はいろいろと考えてはいるが、「決して三菱東京UFJ対なんとか……という状況にしようとは考えていない」とした。
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