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イー・モバイル、追加増資を完了──必要な資金をすべて確保
イー・モバイルが資本の増強を完了し、携帯電話事業に必要な資金として、約3600億円を超える額を確保したと発表した。
イー・モバイルは5月31日、6月を期限とする追加増資が完了したと発表した。予定額を上回る約273億円の増資を確定し、資本金と資本準備金の合計は1432.1億円(うち資本金は717.5億円)になった。
イー・モバイルは、イー・アクセスが携帯電話事業に新規参入するにあたり設立した子会社。当初は全額出資だったが、その後TBS(2005年8月31日の記事参照)や吉本興業(2005年11月10日の記事参照)、三井物産、米Goldman Sachsグループ(4月5日の記事参照)など各社からの出資を受けている。増資完了後のイー・アクセスの持分比率は46.2%。
割当先 | 出資額 |
---|---|
Temasek | 120.0億円 |
Goldman Sachsグループ | 68.0億円 |
イー・アクセス | 50.0億円 |
その他 | 34.8億円 |
今回の増資で注目されるのは、シンガポール政府により設立されたアジア最大級の投資会社Temasek Holdingsが120億円を引き受け、イー・モバイルの第3位の株主となったこと。同社はシンガポールのSingapore TelecomやMediaCorp、Singapore Technologies Telemedia、タイのShin Corporationといったアジアの通信/メディア企業への投資実績がある。
今回の追加増資の結果、4月5日に発表した2200億円の借入金(4月5日の記事参照)と合わせ、イー・モバイルが事業計画上必要としていた3600億円超の事業資金はすべて確保できたという。
割当増資後の持分比率は以下の通り。
株主 | 持分比率 |
---|---|
イー・アクセス | 46.2% |
Goldman Sachsグループ | 24.9% |
Temasek | 7.0% |
東京放送(TBS) | 6.6% |
Woodperkerグループ | 3.5% |
New World TMT Limited | 3.5% |
三井物産 | 2.9% |
その他 | 5.4% |
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