KDDI、EV-DO Rev.Aを12月に開始──下り3.1Mbps/上り1.8Mbps
KDDIが、下り3.1Mbps/上り1.8Mbpsを実現するEV-DO Rev.Aを12月に開始。同技術を使ったサービスとしてVoIPを利用したテレビ電話サービスを提供する。ほかにもマルチキャストシステム「BCMCS」を新たに導入する。
KDDIは、次世代通信インフラ「EV-DO Rev.A」を12月から提供すると発表した。EV-DO Rev.Aは、下り3.1Mbps/上り1.8Mbpsを実現する通信技術。パケット通信の遅延を制御するQoSも盛り込まれ、IPベースの双方向リアルタイム通信によるサービスも提供可能になる(2004年12月の記事参照)。
KDDIではEV-DO Rev.Aの新サービスとしてVoIPを利用したテレビ電話サービスを開始。ほかにもVoIP音声通話やブログ、メールなどのサービスを拡張する予定としている。
エリア展開は、2006年度末までに全国の政令指定都市をカバーするとし、2009年度中の全国展開を目指す。なお、サービスイン当初の対応端末数については明らかにしていない。
次世代高速通信インフラの展開については、ドコモが今夏から(7月13日の記事参照)下り最大3.6Mbps、上り最大384KbpsのHSDPA(2月22日の記事参照)を開始。ボーダフォンも今秋から展開するとしている(5月10日の記事参照)。
コンテンツのマルチ配信システム「BCMCS」も導入
KDDIはまた、コンテンツの一斉同時配信(マルチキャスト)を可能にする「BCMCS」を新たに導入する。BCMCSは、同一の無線チャンネルで多くのユーザーにコンテンツを一斉配信できるようにするシステム。コンテンツ配信時における周波数の利用効率とリアルタイム性が向上し、これまで以上の大容量コンテンツの配信が可能になるとしている。
KDDIでは同システムを利用して、ニュースや映像コンテンツを拡充。新サービスの展開や既存コンテンツの拡張を予定している。なお、BCMCS対応のコンテンツは今後の新端末で利用できるといい、既存端末では利用できない。ただコンテンツの配信については、既存のEV-DO設備経由でサービスを提供できるため、9月から全国で利用できるようになる。
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