“大気シミュレータ”で天気予報──新たな気象情報サイト「ピンポイント天気」:CEATEC JAPAN 2006
東芝とゼンリンデータコムによる新しい気象情報サイトが始まる。それが「ピンポイント天気」。東芝の持つ大規模な大気シミュレータが予測した気象情報を提供するサービスだ。
CEATEC JAPAN 2006東芝ブース 携帯コーナーの片隅でデモを行っていたのが、東芝とゼンリンデータコムによる気象情報サービス「ピンポイント天気」。10月12日よりEZwebで、18日よりYahoo!ケータイでサービスを開始する。情報料は157円/月(税込み)、あるいは一部機能のみ使用できる無料版を用意する。
一見するとよくあるような天気情報提供サイト。しかし“ピンポイントさ”と“情報量の多さ・細かさ”を大きな特徴とするサービスのようだ。一部離島を除く日本全土を一片5キロの立方体で分割した7万6083箇所のポイント/約240万個で区分した天気情報を提供。そしてこれらポイントは、標高や土地の利用状況をはじめとする地理的要因から分析し、天候、風向き/風速、雨量/気温のほか、雷発生率、霧発生率、紫外線量などの気象全般を1時間おきに“予測”して表示する仕組みとなっている。シミュレーションで得た気象の予測情報はライブビジネスウエザー社により監修される。
ゼンリンデータコムは自社の膨大な地図データを軸にした地図検索技術を、東芝 社会システム社は区分した地形ポイント別に大気シミュレータが分析し、コンピュータシミュレートにより気象を予測するシステムを手がけた。一般的に気象庁などが提供する天気予報は大まかな地域別で、かつ数時間おきに更新されるわけだが、それを元に日本全土のポイント別/1時間毎(気象レーダーや関東甲信越地方の落雷情報は10分おき)の気象を予測するという大規模なものになっている。気象庁発表の予報をそのまま表示するのではなく、シミュレータで予測した情報というところに興味惹かれるではないか。
ゼンリンデータコムの情報により、住所や施設名称、電話番号などのキーワードで気象チェックしたい場所をピンポイントで設定でき、GPS機能搭載の携帯であれば、今、自分がいる場所の気象情報を瞬時に確認できる。そのほか、検索した場所の予測情報を指定した日の前日、および当日の朝にメールで連絡してくれる機能(au向けのみ)や、雨が降る/発雷する直前にアラームを鳴らして知らせるなどの機能も備わる。
アクセスは、http://pinten.jp/ から。
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