ソフトバンクの「X01HT」と比べてみる:「hTc Z」ロードテスト No.2
同じ台湾のHTCが開発したこともあり、ドコモの「hTc Z」とソフトバンクの「X01HT」はとてもよく似ている。両端末の違いをチェックした。
→「hTc Z」ロードテスト No.1:初代「W-ZERO3」と外観を比較する
NTTドコモのHTC製端末「hTc Z」は、基本的には法人向けの製品となる。通常の店頭製品に設定されているインセンティブが(たぶん)ないため、値段も7万円超となかなかのものだ。「個人で購入するのはつらいよなぁ」と思っていたら、ソフトバンクモバイルから個人向けの「X01HT」(10月16日の記事参照)が登場した。
発表会で聞いたところ、X01HTの価格は「3万円を切るぐらい」で、「スーパーボーナス」(10月5日の記事参照)を併用すると2万円を切るぐらいの価格帯まで下がる。こいつはちょっと安すぎる。W-ZERO3だってもっと高いし、普通に「キーボード付きPDA」と考えるとかなり破格だ。ただスーパーボーナスで購入した場合、買ってすぐに解約すると、端末代金の差額を支払わなくてはならないので、すぐに解約するつもりで購入すると、結局は高い端末代金を支払うことになる。
なお、X01HTの説明会では、「購入に当たってはスーパーボーナスが前提」としていたが(10月11日の記事参照)、事情が変わったようで(10月17日の記事参照)、「ハッピーボーナス」や「年間割引」による契約も可能になった。これらの料金プランはスーパーボーナスのように端末代金を割賦で支払うものではないため、端末価格は少々高くなると予想される。
そこで、ソフトバンクショップで価格を調べてみたところ、スーパーボーナス利用時が2万5000円(同)で、さらに1万円を割り引くことも可能。ハッピーボーナス利用時は3万円(同)になるという話だった(秋葉原のあるショップの場合)。スーパーボーナス利用時の方が安いが、ハッピーボーナスを使っても端末価格自体は割り引かれているようだ。
機能面の違いは
hTc ZとX01HTは、いずれもHTCが開発したということで機能面で似た部分が多いが、大きく異なるのはHSDPAへの対応だ。hTc ZはHSDPAには非対応で、X01HTは対応している。HTCによれば、ベースモデルのハードウェアはHSDPAに対応しているといい、ドコモはHSDPA機能をオフにしているようだ。
またソフトバンクのX01HTはパケット定額が適用されるのに対し、ドコモのhTc Zはパケット定額制が適用されない。hTc Zは調子に乗って使いすぎるとパケット通信料が大変なことになってしまうので、頻繁にデータ通信を利用するなら無線LANを使った方が安心だ。
なおX01HTはSIMカードが入っていないと端末自体が使えなくなるが、ドコモのhTc Zは、SIMカードを抜いても動作することを確認した。通話はできないものの、無線LANはそのまま使えるので、無線環境がある状況ならネット接続やVoIP経由の通話もできる。
ハードウェア面でも若干の違い
外観も一見すると同じに見えるが、細かいところで違いがある。hTc Zは液晶下部に「HTC」のロゴ、X01HTは「SoftBank」のロゴがある。下部の操作ボタンは、機能は同じながらボタンの形が異なり、X01HTの方がベース端末に近い。
X01HTはさらに、テレビ電話用のボタンを新たに配置している。このあたりはコンシューマ向けと法人向けのスタンスの違いかもしれない(もちろんhTc Zもテレビ電話は可能)。デザインやカラーリングがちょっと違うあたりはキャリアの個性ということだろう。
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