スライド端末好きにさせた。それがすべて──「D902iS」:ITmediaスタッフが選ぶ2006年のベスト端末(編集部遠藤編)
何か違う感じがして敬遠していたスライド端末。仕事で触れた「D902iS」だったが、その使い勝手の良さに驚かされた。ページスクロールが楽になる、グルグル回る十字キー「スピードセレクター」は、もはや欠かすことのできない機能だ。
順位 | 端末名 | 概要 |
---|---|---|
1位 | D902iS | スライドボディ、2.8インチディスプレイ、スピードセレクター |
2位 | 705P | ワンプッシュオープンボタン、ウェッジシェイプデザインのボディ、Bluetooth |
3位 | W44S | デジタルラジオ、ワンセグ、3インチワイド液晶 |
これまでの印象が180度逆転。スライド端末への目覚め──「D902iS」
「D902iS」を1位に選んだ理由は、“スライド端末のよさ”に気付かせてくれたことにある。モバイル編集部へ異動となった10月、最初にD902iSを与えられた。これまで使用してきた端末は、すべて折りたたみ型。正直に言えば“なぜ?”という気持ちもあった。スライド型やストレート型が嫌いというわけではない。だが、何か違う感じがあり、敬遠していたのだ。
仕事で触れる機会を得たD902iSだったが、何日か使用しているうちに、その使い勝手のよさに目覚めていく。例えば「スピードセレクター」。十字キーをグルグル回すだけで、ページがスクロールできるのはすばらしいのひと言だ。ニュース系サイトを見ることの多い記者にとって、今や欠かすことのできない機能となった。
端末を開くことなく、各種情報が確認できるのも良い。当初は“いくらプロテクトキーロックがあるからって、ボタンの誤動作は起こるだろ”などと考えていた。端末慣れしていない始めのころは、キーロックをかけ忘れてしまい、ボタンの誤動作を起こしてしまうこともあった。だが、それは自身の不注意による部分が大きい。
そこまで注意を払いたくない、と言えばそれまでだが、先に述べたように、スライド端末だからこその利点もある。ちょっとした注意を払うだけで(慣れれば注意する必要もなくなる)、端末を開かずにメールや予定の確認ができるならば、利点のほうが大きいと感じた。
個人的に気に入ったのは、スライドするたびに異なる待受画像を表示する「ランダムイメージ設定」だ。D902iS以前からあり、富士通製のFOMA端末にも採用されている機能だが、実際に試してみたのは今回が初めて。待受画像をダウンロードすることが多く、その使い道に困っていたのだが、この悩みは一気に解消された。
スライド端末好きにさせた功績と、スピードセレクターやランダムイメージ設定が自身の好みに合致していたため、D902iSを1位とした。なお、最新モデルの「D903i」は現在の使用端末だ。理由が被ってしまうためベスト3にはあえて入れないが、ドコモの“D”シリーズが2006年の総合1位と言える。
薄型とワンプッシュオープンの合わせ技で1本──「705P」
2位に選んだのは、厚さ14.8ミリの薄型化を実現させつつ、“P”シリーズの特徴であるワンプッシュオープン機構を失わなかった「705P」。近年、端末の薄型化が進んでいるが、記者のように爪の短い人にとっては、端末を開けづらくなることがしばしばある。だが、ワンプッシュオープン機構があれば、そんなことを気にする必要はない。
“これだ!”という個性的な機能はないものの、有効200万画素のカメラ機能、着うたフル対応の音楽再生機能、Bluetoothなどを備えており、普通に使用する分には、十分に事足りる。端末の端の部分をそぎ落としたウェッジシェイプは見た目にも格好良く、記者のように“端末に多くの性能は求めないけど、デザインは格好良いほうがいい”という人には合っている端末だと思う。
決め手は“あのヒンジ”──「W44S」
「ワンセグ」「デジタルラジオ」「3インチワイド液晶」──2006年に発売した端末の中でも、別格と言える機能を持つ「W44S」を3位とした。決め手は、端末を縦/横双方へ開ける「デュアルオープンスタイル」を実現するために採用されたヒンジだ。
このヒンジはとにかく目立つ。普段はあまり携帯に興味を示さない人でも、“あそこから何か出るの?”と聞いてくるほどだ。携帯に限らず、どんな商品でも、まずは手に取ってもらわなければ、その良さを知ってもらうことはできない。その意味で、携帯初のデジタルラジオ対応だけに留まらず、見た目にも大きなインパクトを与えたW44Sを3位に選んだ。
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