愛する人と星空の下で(笑)──中身も“粋”を演出する「W44S」:開発陣に聞く「W44S」(機能編)(3/3 ページ)
“あのヒンジ”とそのデザインで、見事に評価が2つに分かれているソニー・エリクソン・モバイル製「W44S」。強烈な個性を持つデザインの内側には、昨今の携帯ユーザーに望まれる多くの機能や工夫が盛り込まれていた。
「POBox Pro」──ソニー・エリクソン・モバイル製端末に搭載する日本語入力システムの使いやすさにも最近、特に評価が高まっている。W44Sの日本語入力システムは、W43Sのそれを継承した。
「例えば“あい(愛)”と入力したいとき、普通は[1]キーでまず“あ”を入力し、カーソルを右に移動させてから“い”と入れます。対してPOBox Proは“あ”を入力し、少し待ったらカーソルが自動的に右に移動するようになっています」(平澤氏)
「もう1つ、小文字“っ”などの入力も[4]キーを何回か連打して目的の文字を探すののではなく、キーを押しっぱなしにすることでトグルして回るようになっています。ちなみにこの“自動移動”の待ち時間や長押し時のリピート間隔などは幅広くカスタマイズできます」(同上)
同社の開発陣はもちろん自社端末を普段も使用しているわけだが、たまに異なる日本語入力システムで文字入力を行うと、“自動移動”してくれないことに戸惑うという。
ちょっとした“隠し”機能
W44Sの待受画面には、最新ニュースや天気情報を配信する「EZニュースフラッシュ」のほか、スケジュールの通知、メモの表示、そして時計やカレンダーなど、かなり多くの情報を表示できる。また、EZニュースフラッシュのティッカーにフォーカスを合わせると、そのほかの最新ニュース一覧などが閲覧できるアプリが起動する仕組みも備わる。
しかし、その機能を搭載したために、従来機で上下キーにスケジュールやデータフォルダが割り当てられていた機能がなくなってしまった……のだろうか。
「いえいえ。ワンプッシュで直接起動はできなくなってしまいましたが、“隠し機能”……といってもマニュアルには記載してありますが、上キー長押しで“スケジュール”、下キー長押しで“データフォルダ”が起動するようになっています」(平澤氏)
「また、待受画面には家族やペットなどの写真を貼るユーザーも非常に多いですよね。写真をじっくり見たい場合は、[クリア]キーで背景写真のみに切り替える機能も備わっています。このあたりも、先ほど述べた“2面性”のコンセプトに通じるところです」(同上)
デザインやワンセグ、デジタルラジオなどの最新機能を中心とする“カタログで大きく謳う”べき機能のほかに、さらに“グッ”と来させる仕掛けや思い入れを盛り込んで生まれたW44S。強烈なインパクトのある本機のデザインは評価が見事に2つに分かれているが、これをポジティブに思うユーザーにとってはさらに好ましいと思える“中身”も用意した。
実際に使うと、横位置のスタイルやUIにもう少し工夫があればと思える部分も確かにあるが(例えばカメラのUIやEZチャンネルプラスの配信映像が横位置で視聴できないなど)、この“デュアルオープンスタイル”は携帯の新たな可能性もいくつか示唆しているといえる。今後も“デュアルオープンスタイル”を継承するのか、それともほかの新たなスタイルで登場するのか。同社が今後投入する端末はどのように進化していくのだろうか。
関連記事
- インタビュー:“あのヒンジ”に込めた思い──「W44S」はなぜあのようなデザインなのか
ワンセグ+デジタルラジオ+3インチ液晶──auのハイエンド端末として秋冬モデルの12機種とは別に発表されたソニー・エリクソン・モバイル製「W44S」。発表も特別なら、機能やデザインも特別。“あのヒンジ”とデザインにどのような意味が込められているのだろうか。 - デジタルラジオ+ワンセグ+3インチワイド液晶の「W44S」
KDDIがFMラジオに加え、デジタルラジオとワンセグに対応したソニー・エリクソン・モバイル製端末「W44S」を12月上旬に発売する。 - 写真で解説する「W44S」(外観編)
ワンセグ+デジタルラジオ+3インチワイド液晶を備える、ソニー・エリクソン・モバイル製の「W44S」。“ソニエリはこう来たか”と思える新方式の縦/横双方の視聴スタイルを採用したのが大きな特徴だ。 - 写真で解説する「W44S」(インタフェース編)
ワンセグ+デジタルラジオなどのメディア機能が充実する「W44S」だが、よく使う日本語入力やカメラ機能、UIはどうか。どんなことができるのか。 - 写真で解説する「W44S」(メディア機能編)
ワンセグ、デジタルラジオ、ダウンロードコンテンツ……数々のエンタテインメント機能を携帯最大級の3インチ大型ディスプレイで楽しめる「W44S」。もっとも特徴的なアプリ「au Media Tuner」とは何か。どんなことができるのか。 - 「LISMO」でビデオクリップを配信開始
KDDIは12月初旬より、音楽サービス「LISMO」において楽曲のビデオクリップをダウンロード提供する。また、「au Music Port」もver.3.0にバージョンアップする。 - Rev.A対応、デザインケータイなど総勢12機種──auの秋冬モデル
KDDIが12機種の秋冬モデルを発表。EV-DO Rev.A対応機やデザイナーズ携帯など多彩な端末をラインアップしており、初のシャープ製携帯もお目見えした。デコレーションメールやテレビ電話などの新サービスも登場する。 - ソニエリが作ったら、“光る携帯”はこうなった――「W43S」
あかりとStyle-Upパネルの組み合わせで、さまざまな光の表情を見せる「W43S」。“あかり+着せかえ+大型液晶+POBoxPro”というコンセプトはなぜ生まれ、どのように形になっていったのか。 - これが“ウォークマンケータイ”のアイデンティティ──開発陣が語る「W42S」
ついに日本市場にお目見えした「ウォークマンケータイ W42S」。音楽ケータイをうたう端末が各種登場する中、“ウォークマンケータイ”のアイデンティティとは何なのか。開発陣に聞いた。 - 写真で解説する「W41S」
W41Sのコンセプトは「ミュージックケータイ」。各端末とも音楽サービス対応だが、W41Sの工夫とはどんなものがあるのか。 - デジタルラジオはどこでなら聴ける?
「W44S」は携帯電話として初めてデジタルラジオに対応した製品だが、デジタルラジオ自体については内容や視聴可能エリアなど、知られていない部分が多い。現時点で得られる情報をまとめてみた。 - ソニエリ、「SonyEricsson@ez」で音楽配信サービス
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.