反省して学習した「ホワイトプラン」が狙う携帯市場――ソフトバンク孫社長(2/2 ページ)
ソフトバンクモバイルが発表した月額980円の「ホワイトプラン」。ゴールドプラン&予想外割で“学習”した同社の、新しいシンプルで格安な料金プランとは?
ゴールドプランで“学習”
さらに、同プランの導入に関して、孫氏は「ゴールドプランで大変“学習”した。ユーザーに支持されないサービスが永続的に続いた試しはない。ユーザーから幅広く支持してもらるよう、ホワイトプランを用意した」と、内幕の一端を垣間見せた。
番号ポータビリティ開始直前、電撃的に発表したゴールドプランと予想外割だったが、無料通話についての条件が細かく設定されていたほか、無料で送受信できるメールサービスが日々変更されたこと、また、当初は端末の割賦販売制度「スーパーボーナス」との組み合わせが必須だったことから、「他社に負けない低価格」「シンプルな料金プラン」というかけ声とは裏腹な印象を与えていた。さらに、店頭表示やテレビコマーシャルの内容について、公正取引委員会から警告を受けるという事態に陥っていた(12月12日の記事参照)。
「(付帯条件が多いという指摘について)※印恐怖症ではないが、冗談で家族に『これからはパン食にする、もう米(※印)はこりごり』とこぼすほどだった。十分に反省し学習し、今回は※印が一切ないプランになった。社内では私以外は全員反対だったが、ソフトバンクだけの他のキャリアにはない独自の料金プランを出すために強く推し進めた。直球勝負で自信を持って臨みたい」(孫氏)
しかし、ゴールドプランと予想外割が、ホワイトプラン導入の重要な試金石になったことは確かだ。会見で公表されたゴールドプランの加入者数は100万件弱で、携帯電話を頻繁に使うユーザーが加入しているという。
「ゴールドプラン導入後から、ユーザーの通話時間が何倍にも増えた。他キャリアにかける分数はあまり変わっておらず、ソフトバンク同士の通話時間が増えている。みなさんずいぶん我慢して使っていたんだなと思った。ソフトバンクは市場シェアが少なく、他キャリアへかける頻度が高くなるので、損をするという指摘は当てはまらないだろう。また、21時から1時の200分無料通話枠を使い切るユーザーは少なく、ほとんどのユーザーは十数分しか利用していない」(孫氏)
こうした、ゴールドプランで実証されたソフトバンク間通話の根強い人気や、有料通話になる時間帯が浸透したことから、孫社長は多くのユーザーがホワイトプランを選ぶと予想し、主力の料金プランになるという見方を示した。
「基本料金が安く、ソフトバンク同士は通話し放題のため、携帯の使用頻度に関わらず選択できるプランだろう。ただし、不特定多数の携帯電話や固定電話に頻繁に電話をかける、営業マンのような方には向かない。その場合はブループランやオレンジプランのLLプランなど、無料通話分が多いプランを選んでほしい。すべては、お客様に喜んでいただきたい、支持していただきたい、ソフトバンクの携帯を使っていただきたい、という思いでやっていること。ホワイトプランは圧倒的大半の方にとって、お得な料金プランだと思う」(孫氏)
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