爽やかな発色。独自のスタイルで快適に遊べる──「W44S」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/4 ページ)
縦/横どちらへも開けるディスプレイを採用する、ユニークなスタイルの「W44S」。この横向きの“モバイルシアタースタイル”で使うカメラは一体どうなのか。その使い勝手と写りをチェックしていこう。
あっさり系だが鮮やかな、ソニーっぽい画質
では画質を見ていこう。基本的なテイストは今までのソニエリ端末とほぼ同等だと思う。
まずはいつもの黄色い象のすべり台とあずまやを。
3Mらしい解像感がある。基本的には爽やか系の発色で、写りは悪くない。しかし、木の枝にパープルフリンジが若干確認できる点や、斜めの線がちょっとぎざぎざしているのが惜しいところ(SO903iもそうだった)。
同じ場所で、ワイドモードで撮ったフルHDサイズの写真はこうなる。上下がトリミングされて16:9の画角になるわけだ。このモードの写真は本体の3インチワイドディスプレイで見るとフルスクリーンで表示される。この迫力もなかなかよい。
続いて青空のグラデーションを。やや露出アンダー気味だが、仕方ないところか。ちなみにこの作例のシャッタースピードは1/3327秒。絞り値はF2.8固定となるので、明るいところではシャッタースピードを上げるしかないわけである。
古い稲荷神社の境内で撮影。青空や緑、鳥居の赤など、特徴的な色がしっかり出ている。鮮やかだが、“こってり”ではない発色はソニー製デジカメのサイバーショットシリーズに通じるものがある。
毛づくろいしている猫を撮影。落ち葉の様子や猫の毛の感じなど、かなりきれいに撮れている。ここで、めいっぱいデジタルズームをかけるとこうなる。
この場合でデジタル6.4倍。さすがにディテールがつぶれるが、仕方ないところか。
今度は、温室で撮った花のマクロ写真を。これはかなりイケている。
同じ風景で、シーンモードを切り替えて撮り比べてみよう。
「風景」モードにした方が、彩度やコントラストが上がってメリハリが出る。
最後は夜の写真を。
標準モードの場合、ISO感度が640に増感される。一方、「夜景」モードにすると増感が抑えられ(ISO125)、その分シャッタースピードが遅くなる(1/2秒)。ホワイトバランスも「夜景」モードでは太陽光に固定されるようだ。
絵としては「夜景」モードの方が高画質だが、シャッタースピードが遅くなる分、手ブレしやすくなる。ちなみに上記の作例は2枚とも手ブレ補正をオート(オン)にして撮影した。本機の手ブレ補正の効果はかなりあると思う。
では、手ブレ補正のあり/なしでどう変わるだろうか。
どちらもISO640で1/8秒。手ブレしないよう注意して撮ったのでパッと見の差はあまりないが、等倍で見ると画質に若干違いがあるのが分かるかと思う。
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