“ほぼ全部入り”スペックの「W52T」、その実力は?(前編):東芝「W52T」レビュー(3/3 ページ)
ワイドVGAの3インチ液晶、ワンセグ、EZ FeliCa、Bluetooth、1Gバイト内蔵メモリ、そして東芝初となるスライドボディ──まさに“全部入り”を好むユーザーに向けたスペックで登場する「W52T」。その機能の詳細を検証する。
ワンタッチ起動、録画も可能なワンセグ機能
W52Tは、ワンセグ&デジタルラジオにも対応する。加えて、1Gバイトの本体内蔵メモリに最大5時間の録画が可能で、別途、外部メモリ(microSD)への録画も行える。加えて本体メモリ/microSD間で録画データを移動することもできる。
ワンセグは、メニューからたどる方法のほか、本体右側面の[TV]キーでワンタッチで起動でき、手動での番組録画が行える。残念ながら、予約録画には対応しない。
録画番組の保存先は内蔵メモリ/microSDのいずれかが選べる。microSDにはワンセグ対応のSD-Video準拠の方式で保存され、視聴中だけでなく、録画中も静止画のキャプチャも行える。ちなみに録画中は縦向き表示のみになる(中、右)
ワンセグは視聴時/録画番組再生時、ともにディスプレイの上半分に表示する“縦表示”、ディスプレイいっぱいに横表示する“フルスクリーン表示”、やや縮小した横表示にデータ放送やチャンネル番号/音量などの情報も付加した“情報付き横表示”、計3つの表示タイプをサポートする。
ワンセグ放送は、320×180ピクセル(16:9)ないし320×240ピクセル(4:3)で送波されている。800×480ピクセルの表示が可能な本機のディスプレイにとって、スペック上では特別大きなメリットにはならないかもしれないが、実際にその映像を見てみると、携帯最大級の3インチワイドディスプレイと相まって非常に迫力がある。
付属する卓上ホルダは、机上に置いた場合で視聴に適する角度に、かつ横向きで端末を設置するスタイルを採用した。充電しながらフルスクリーンの横向き表示でワンセグを視聴できる。
本機の液晶ディスプレイは、駆動方式などに特に触れてはいないが、視野角はテレビ視聴に充分なほどの広さを確保し、コントラスト比も450:1と高い。東芝のAVノートPC「Qosmio」シリーズの画質チューニング技術を応用し、ワンセグ放送などを含めて色鮮やかに表示できる。
表示設定に、コントラストを高めにし、発色を鮮やかにする「ファイン」、標準の「ノーマル」、輝度を控えめにした映画視聴向きの「シネマ」、バッテリー消費を抑える「省電力」の4つのモードを備え、シチュエーションやコンテンツ、好みに合わせて選択きる。
例えば「ファイン」は全体的に鮮やかで見栄えよく表示されるが、シーンによって見にくくなる部分が生じることがある。晴天下や明るい室内で視聴する場合は「ノーマル」や「シネマ」の方が見やすいこともあるだろう。画質モードは放送を視聴しながら効果を確認できるので、好みに合わせて変更するとよい。
ワンセグ機能における本機ならではの大きなメリットは、Bluetoothを活用できることだ。Bluetooth機能に関する詳細は別途紹介するが、音楽再生同様に「au Media Tuner」上でワンセグの音声をBluetoothレシーバー+イヤフォン/ヘッドフォンで聴けるのである。
ワンセグ搭載の端末により移動中などもテレビを楽しめるようになったが、喫茶店など公衆の場では、外部スピーカーからの出力ではなく、イヤフォンを本体に接続したり、字幕表示付きで映像だけ見ることがほとんどだと思われる。W52Tは、音声をBluetoothでワイヤレス出力できる。この機能の差は大きく、ぐっと手軽にワンセグを楽しめるようになることだろう。
もう1つ、音声をワイヤレスで出力できるなら、テレビを「音」だけで楽しむのも“あり”だ。
映像表示を行わない“BGMモード”に移行することで、バッテリー消費を抑えつつテレビの音声だけを楽しめるうえ、ワンセグなら音質も極めてクリア。音楽番組やトーク番組、ニュース番組などは音声だけでも実用的に使えるのではないだろうか。
ちなみに、今回使用したBluetoothレシーバー(W44T付属のBluetoothレシーバー「receiver01」)で、音量以外にチャンネルの切り替えも可能だった。ワンセグやデジタルラジオは受信用のロッドアンテナを延ばさないと満足に受信できないこともあり、本体をカバンの奥に入れたまま──だとやや難しかったが、上着やカバンのポケットに入れておく程度であればかなりのシーンで受信できた。
Bluetoothメニュー内には、「ワイヤレス機器選択」の項目が追加され、対応機能における音声出力先を事前に設定しておくことが可能となった。「au Media Tuner」での設定より、ここで行う設定が優先される
(後編へ続く)
後編ではBluetoothやAV出力機能、そしてバックグラウンド機能などをじっくり検証していく予定です。
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