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KDDIと富士通、富士通研が電力効率の高いモバイルWiMAX用増幅器を開発
KDDIと富士通、富士通研究所が、モバイルWiMAX用に世界最高レベルの電力効率を持つ増幅器を開発した。3社は2006年5月から共同開発を進めていた。
KDDI、富士通、富士通研究所は3月2日、2006年5月から進めていた、世界最高レベルの電力効率をもつモバイルWiMAX用増幅器の開発に成功したと発表した。
今回開発に成功した増幅器は、富士通研究所で開発・改良した窒化ガリウムHEMT(高電子移動度トランジスタ)デバイスを用いて高効率増幅回路向けに最適化したほか、改良した歪補償技術などを適用したもの。2.5GHz帯の周波数で出力電力25ワットのとき、従来比2倍にあたる約30%の電力効率を実現する送信増幅器の試作に成功し、実用化のめどが立ったという。
電力効率の高い増幅器があれば、基地局の小型化と軽量化、低消費電力化、高信頼化が可能だ。今回開発した増幅器技術を導入すれば、屋外基地局装置のサイズと消費電力を従来比で約半分にできると目され、基地局建設コストの大幅な削減が可能になる。
富士通は、今後モバイルWiMAXを含む移動通信用基地局装置での実用化を進め、2007年からシステムに組み込む。
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