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インタビュー

“パケ・ホーダイフル”誕生に暗躍した、「初モノづくし」の動画ケータイ開発チームに聞く「P903iX HIGH-SPEED」(1/2 ページ)

発表から約半年──。ようやく発売される“最後”の2006年冬モデルは、Windows Media Video再生に対応する“動画ケータイ”。パナソニック モバイルの「P903iX HIGH-SPEED」は何を目指し、どこへ向かう携帯なのか。開発チームに話を聞いた。

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photo P903iX HIGH-SPEED。クリムゾン(左)とプラチナ(右)の2色で展開する

 HSDPA、Windows Media Videoプレーヤー、そしてフルブラウザ──。“初モノづくし”の挑戦だった。

 パナソニック モバイルコミュニケーションズ初のHSDPA端末として、Windows Media Video対応プレーヤーを搭載する高機能FOMA端末、それが「P903iX HIGH-SPEED」。下り最大3.6Mbpsで通信できるHSDPAを活用し、PCサイトで公開されるWindows Media Videoフォーマットの動画をストリーミング再生、またはダウンロード再生できる機能を大きな特徴とする。

 ウィルコムのW-ZERO3シリーズなど、OSにWindows Mobileを採用するスマートフォンやPDAには当たり前のようにWindows Media Playerが搭載されているが、OSが異なり、総合的な処理速度も劣る携帯にWMV対応プレーヤーを搭載するのは同社としても初の試みで、大変な苦労があった。

 それでも挑戦する価値があると判断し、投入するのはなぜか。この“初めてづくし”の開発にどう挑んだのか。同社P903iX HIGH-SPEED開発チームに話を聞いた。

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「P903iX HIGH SPEED HIGH-SPEED」商品企画担当の井端勇介氏(左)とプロジェクトマネージャーの常廣直司氏(右)

ネットにあるWindows Media Videoコンテンツの約半分は再生可能

photo 同社製FOMAとして初めてフルブラウザを搭載する

 「すでにインターネットに公開されている無数の動画コンテンツを、携帯電話でも自由に再生できる──そこに大きな可能性が秘められていると思いました」(常廣氏)

 P903iX HIGH-SPEEDは、実はパナソニック モバイル製FOMAとしては初のフルブラウザ搭載機でもある。ドコモ既定のフルブラウザをベースにWindows Media Videoプレーヤーとリンクするインタフェースを独自開発し、アクセスしたPCサイトから直接Windows Media Video動画を再生できるようにした。表示したサイトの動画リンクを選択すると対応プレーヤーが起動する仕組みだ。


photophoto フルブラウザの表示モードには、画面の幅に合わせてサイトを最適化し表示する「ケータイモード」と、800×600ピクセルのサイズで表示したPCサイトを疑似表示し、上下/左右スクロールしながら閲覧する「PCモード」を用意する。最大5つのサイトを切り替えられるマルチウインドウにも対応

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

 Windows Media Videoには、DRMのバージョンや再生ビットレート、サイズなどさまざまな仕様がある。すべての動画を再生できるわけではない(もちろん、YouTubeなどで採用されるFlash Videoも再生できない)が、Webに公開されるWindows Media Video動画のうち、統計的に半数ほどは再生できるようだ。

 「プレーヤーの仕様だけでなく、JavaやFlashなど、ベースとするフルブラウザの仕様も関連してきます。Windows Mobile搭載機器では可能だが本機では再生できない動画もありますし、またその逆もあると思います。すべての動画をチェックしたわけではありませんが、現在公開されているWindows Media Video動画の半分くらいは本機で再生できるのではないでしょうか」(井端氏)

 それ以外に、本機で楽しめる特別動画サイト「P-Theater」(URL:http://p903ix.jp/)も期間限定で公開する。同社携帯のCMキャラクター、栗山千明さん主演のWebドラマ『高速ティーチャー チアキ先生』やLOVE PSYCHEDELICOらアーティストの特別ムービーといった、P903iX HIGH-SPEEDないしPCで視聴できるWindows Media Videoコンテンツを無償配信する予定だ。

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公開予定の特別動画サイト「P-Theater」

 再生できる動画の仕様は以下の通り。

P903iX HIGH SPEEDで再生できる動画コンテンツ
ファイル形式 WMV、WMA、WVX、WAX、ASF、ASX
ビットレート ビデオ512kbps+オーディオ64kbps(再生保証値)
フレームレート 30fps(再生保証値)
ビデオサイズ QVGA(横320×縦240ピクセル)
コーデック ビデオ:Windows Media Video 8〜9
オーディオ:Windows Media Audio 2〜9
ファイル容量制限 ストリーミング:なし
ダウンロード:10Mバイトまで
自作:なし(外部メモリに保存できるサイズまで)
著作権保護 ストリーミング再生時はWindows Media DRM 10に対応。著作権保護されたダウンロードデータは再生不可。自作動画はDRMなしのみに対応

 著作権保護が施されない動画であれば、microSDにダウンロード保存することも可能。また、自作したWindows Media Video動画の再生にも対応する。自作動画データの作成にあたり、上記条件に合致するものであればファイルサイズの制限もないという(事実上、2GバイトのmicroSDに保存できるサイズとなる)。

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