「GPS内蔵W-SIM」や「スタンドアロンW-SIM」を参考出展――エイビット:WILLCOM FORUM & EXPO 2007
エイビットが、「WILLCOM FORUM & EXPO 2007」にGPS内蔵W-SIMや簡易言語搭載W-SIMを参考出展した。同社は、“赤耳”ことW-OAM対応W-SIM「RX420AL」を製造するアルテルの親会社だ。
エイビットは、東京国際フォーラムで開催中の「WILLCOM FORUM & EXPO 2007」に、GPS内蔵W-SIMや簡易言語を搭載したW-SIM、自営モードに対応したW-SIMを参考出展した。いずれも発売時期などは未定だが、製品化に向け開発を進めているという。
参考出展したW-SIMは、いずれも同社関連会社のアルテルが製造する“赤耳”ことW-OAM対応の「RX420AL」を利用している。
GPS内蔵W-SIMは、業界最高性能という米SiRF TechnologyのGPSチップセット「SiRF III」を搭載する。コアモジュールの検証環境だけでなく、実際のW-SIM対応端末(ジャケットフォン)に装着しての動作確認もしているそうで、かなり開発が進んでいる印象だ。このW-SIMでは、GPS測位をした位置情報を端末に送るだけでなく、移動ログも残すこともできる。ジャケットフォン側で位置情報を使う機能やアプリケーションが提供されれば、GPSナビゲーションサービスを利用できる。W-SIMのみで移動情報を取得でき、セキュリティ分野への応用も考えられるという。
GPSユニットとアンテナをW-SIMのサイズに収めるため、どこまで高い精度を出せるかが課題だ。場合によっては、GPS信号を受信しやすい端末(W-SIMが一部露出しているなど)の開発や、基地局情報と組み合わせて精度を上げる仕組みの実装が必要になるという。
仮にエイビットがGPS内蔵W-SIMを完成させても、W-SIMの供給のみを行う方針とのことで、「実際にどのようなサービスが出てくるかは、キャリアや端末メーカー・コンテンツプロバイダー次第」(説明員)と話している。
簡易言語搭載W-SIMは、同社オリジナルのBASIC言語と実行環境を内蔵したモジュール。W-SIMはPHS通信の機能を独立させたものだで、それを使うにはジャケットフォン側からの制御が必要だ。しかし簡易言語搭載W-SIMは、RX420ALの持つ約1Mバイトのユーザーメモリ部分にプログラム環境を内蔵しており、電源さえ供給できれば、セキュリティやテレメトリ分野でのスタンドアロン端末として利用できる。
ブースでは「簡易言語搭載W-SIMを使ったもっとも簡単な例」(説明員)としてビーコンユニットを展示。W-SIMにはバッテリーユニットしか取り付けられていないが、スイッチを押すと設定された番号へ位置情報を発信する。そのほか、セキュリティ分野への応用例として、屋内用の「SOS」ボタンと屋外型の「SOSポール」を提案していた。SOSポールは公園や通園・通学エリアなどへ設置するもので、非常ボタンが押されると位置情報を発信し、ハンズフリー通話を開始する。非常事態の状況と起こった場所を迅速に知ることができるという。電源には太陽電池を採用しており、電源が取れない場所でもメンテナンスフリーで運用できるのが特徴だ。
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