情報流通ビジネス研究所は5月14日、調査研究リポート「モバイルWiMAXベンダーの国際戦略と無線ブロードバンド市場拡大のシナリオ」を発刊した。価格は9万9750円。モバイルWiMAX用のチップやインフラ、端末を開発するベンダーや海外の携帯電話オペレーターの戦略・動向を分析するとともに、モバイルWiMAXに関わるプレーヤーのエコシステムやビジネスモデル、標準化動向や周波数割り当て状況などを検証し、展望を示している。
同リポートでは、モバイルWiMAXベンダーの動きは、WiMAXフォーラムでの認証テストを契機に本格化し、ベンダー館の提携やM&Aによる競争、再編を経て、2010年ころまでには勝敗が決まると予測する。
2007年末ころまでは、商用設備をスピーディーに展開するベンダーが先行優位を確保する「Fast Mover市場」、2008年から2009年ころは先行優位が薄れて本格的競争が展開され、コスト削減とグローバル規模での顧客サポート体制を確立したベンダーが頭角を現す「Competitive市場」、2009年以降はCompetitive市場で提携やM&Aを主導し、規模の経済確保に成功したベンダーがイニシアチブを握る「Winners市場」という発展の構図を予想。2010年頃にはチップセットや端末、インフラベンダーの競争優位がほぼ不動のものになるとしている。
またモバイルWiMAX市場について、固定向けWiMAX周波数免許を有し、モバイル領域への参入を試みるキャリアと、1つのインフラで固定とモバイル、音声通話とデータ通信を同時に提供するキャリアの2形態に分類し、それぞれの分析も行っている。
リポートの内容は 情報流通ビジネス研究所のWebサイト(http://www.isbi.co.jp/report/WiMAX/)でも確認可能だ。購入する場合は、Webサイトから専用の申込用紙をダウンロードし、必要事項を記入してFAXで申し込む。
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