1つの端末で2つの電話番号と2つのメールアドレスを、あたかも別々の回線のように使い分けられるドコモの新サービス「2in1」が5月25日から始まった。
2in1は、月額945円の専用料金プラン「タイプ2in1」に加入すると、メインの電話番号とメールアドレス(Aモード)に加えて、もう1つ電話番号とメールアドレス(Bモード)が利用可能になるというもの。端末側でモードを切り替えれば、1つの端末をまったく別の回線で使えるので、仕事用とプライベート用で電話番号を使い分けたり、友達などに知らせる電話番号のほかに、通信販売などに利用する“公開してもいい”電話番号を用意したりといった使い方が可能だ。
開始早々システム障害が発生するなど、順調とは言えないスタートとなった2in1だが、実際に利用するにはどうしたらいいのか、早速契約してみた。
既存の2回線で2in1を組む場合はドコモショップへ
筆者は自分名義のドコモ回線を2契約持っていたので、「SH904i」への機種変更に合わせて、この2つの回線をAモードとBモードに割り当てることにした。そこで、まずは量販店で端末の機種変更価格を調べるとともに、2in1の手続きが店頭でできるかを確認。すると「2in1に加入できるのは新規契約の場合に限る」と言われてしまった。
近隣にドコモショップがあることは調べてあったので、量販店を後にしてドコモショップへ。機種変更と同時に既存の1回線を2in1のBモードに割り当てたい旨を話すと、すぐに窓口に案内された。店舗によるのかもしれないが、Bモードに新規契約の番号を割り当てる場合は量販店でも対応できるものの、既存の番号をBモードに割り当てる場合はドコモショップやドコモスポットに行く必要があると考えた方がよさそうだ。
すでに契約中の2回線を2in1にする場合、Aモードに既存の回線の契約内容などが引き継がれるが、Bモードに引き継げるのは電話番号とメールアドレスだけ。継続利用期間やドコモポイントなどはすべて消滅してしまう(5月11日の記事参照)。そのため、2回線で請求を別々にしている場合は、解約前にBモード用回線のポイントを使い切ってしまう必要がある。
そこで、Bモードにしたい回線のポイントを使って新端末が購入できるか確認したところ、ほかにポイントを消滅させない方法があることを紹介された。Bモードの回線を解約する前に、2回線の請求を一括請求に設定すれば、ポイントはAモードの回線と合算されるのだ。その後でBモードの回線を解約すれば、ポイントはすべて引き継いだ上で契約を解除できる。なお、2in1の設定後に「請求書分割送付」のオプション(月額157.5円)を申し込めば、Bモードの通話料と通信料のみを記載した副請求書を別の請求先に送付するよう指定できる。さらに明細内訳が必要なら、月額105円の料金明細内訳書作成料を支払うことで対応してもらえる。
またドコモは当初、2in1のBモードに設定する回線は解約扱いになるため、新いちねん割引に申し込んでいる場合はその解除料(3150円)が発生すると説明していたが、この扱いは変更されたようだ。
店頭では「新いちねん割引を契約している回線で2in1を組む場合、新いちねん割引の契約満了月やその翌月以外の時期であっても、契約解除料はかからない。ただし、新いちねん割引の契約満了月とその翌月以外に2in1を解約した場合は、その時点で新いちねん割引の契約解除料が発生する」と説明された。
つまり、Bモードに設定する電話番号は、手続き上は解約ということになるが、新いちねん割引の契約解除料は、期間内に2in1を解約しない限り発生しない。この件は、店頭で手渡された「ご利用ガイドブック(2in1編)」にも正誤表が入っていたので、開始直前に条件を変更したものと思われる。
そんなわけで、滞在時間30分ほどであっさり機種変更の手続きと2in1の設定が完了した。ちなみに2in1契約による端末価格の値引きは1000円。ショップには、Aモードに割り当てる番号のSIMが入った、普段利用している端末のみ持って行ったのだが、特に問題なく手続きが行えた。解約扱いになるBモード用の回線については、FOMAカードや端末を持ち込まなくても、本人確認さえ取れれば支障はないという。
なおBモードのメールアドレスは、端末を受け取ってからユーザーが自分で設定する必要がある。基本的には解約前のBモード用回線で使っていたメールアドレスがそのまま使えるが、一定期間が経過すると、ほかのユーザーにそのアドレスを取られてしまう可能性があるそうなので、なるべく早く手続きを済ませてしまいたい。
2in1のモード切り替えはショートカットを利用
2in1のAモード/Bモード/デュアルモードの切り替え方法は、機種によって異なるが、904iシリーズにはそれぞれショートカットが割り当てられている。モード切替のキーは、F904iが6キーの長押し、N904iが2キーの長押し、D904iが9キーの長押し、SH904iが8キーの長押し、P904iがサイドキーの長押しとなっており、端末暗証番号を入力すれば、状況に合わせて瞬時に変更できる。各モードごとに待受画面の壁紙を設定できるので、自分が今どのモードを利用しているのかを、待受画面で判断できるしくみだ。
2in1は、Aモードで利用している分には、使い勝手は従来とまったく同じだ。Bモードは、メールがWebメールでしか閲覧できないため、最初は少しとまどうかもしれないが、Bモードのメールアドレスにメールが届くと、iモードセンターから「WEBメール新着あり」というタイトルのメールが届くので、それほど不自由は感じない。この告知メールには、本文に差出人のメールアドレスとタイトル、それにWebメールの画面にアクセスできるURLが記載されているので、その場ですぐに確認することも可能だ。
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