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カスタマイズ心をそそる、細かな設定の数々──「W52SA」を試す「W52SA」レビュー(2/2 ページ)

フラットでスリムな回転2軸ボディのワンセグ端末として登場した「W52SA」。細かい部分までカスタマイズできる各種設定が用意され、個々の生活スタイルに合った端末に最適化できる。

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日々の使い勝手を左右する基本機能をチェック

 W52SAは、携帯電話の基本機能となる通話やメール機能もなかなか充実している。アドレス帳は、待受画面から数字キーを長押しするだけでアドレス帳の該当する行を呼び出す「時短検索」機能を備え、さらに頻度順表示にも対応。頻度順表示は登録先全体ではなくタブ内で有効になる。例えば20人の相手によく電話をかける場合でも、単純に頻度順に20人分が画面に表示されるより、タブごとに分かれて表示される方が確認しやすい。通話の発信が多い人には便利な機能だ。

Photo 左が頻度順、右がカナ順の表示。頻度順では読みの先頭が「な」の登録先より「の」「に」の登録先が先に表示される。頻度順とかな順はワンタッチで切り替えられる

 履歴表示は通話の発着信履歴に加えてメールの発着信履歴も表示。それぞれの履歴から、アドレス帳に登録した電話番号への発信やEメール作成、Cメール作成が行える。これは音声通話の着信にメールで返信したり、メールの返事を通話で対応したりする際に便利な機能。登録データに複数の電話話番号やEメールアドレスがある場合には任意のものを選択できる。

 どの履歴からでも選べる操作は共通で、“自宅からの着信に、同じ登録データ内の携帯電話番号に発信する”“Cメールの着信に対する返信が長くなりそうなのでEメールで返信する”といった操作も履歴から行える。メール一覧や本文から同様の操作ができないのが少々残念だが、履歴を介した通話とメールの連携機能はこなれており、通話とメールを使い分ける人には役立つだろう。

Photo 左は着信履歴、右はメール履歴でメニューを呼び出したところ。呼び出せる機能は同じだ

Photo メニューから「発信」「Eメール作成」を選んだところ。登録先に複数の電話番号やEメールアドレスが存在する場合は任意のものを選べる。通常使用に設定されている電話番号やEメールアドレスが先頭に表示される

Photo 履歴から単に決定キーを押した場合は発着信した電話番号やEメールアドレスが表示され、すぐリダイヤルやメール作成に移行できる

 セキュリティは、解除に暗証番号を使う操作ロックとして「オートロック」と「閉じるとロック」を用意する。オートロックは、電源をオンにした時や待ち受け時に、あらかじめ設定した一定時間内に何の操作もないと操作ロックがかかり、閉じるとロックは、ディスプレイを閉じると操作ロックがかかる。

Photo 「オートロック」では自動再ロックまでの時間も設定できる。Felicaロックもクイック解除時の再ロックまでの時間を最大60分までのあいだで設定できる

 日本語入力システムは、フレーズ予測や次文節予測機能を備えるAdvanced Wnnを採用。入力方式は一般的な携帯電話方式に加え、2タッチ(ポケベル)や区点コード入力も利用できる。文字入力後に自動でカーソルが移動する自動カーソルのオン/オフ切り替えに対応するなど、入力スタイルは幅広い。また「やり直し」機能は、変換候補選択直後に選択前に戻れるほか、誤って文字を削除した場合にも、直後なら削除前の状態に復帰できる。ダウンロード辞書にも対応しており、三洋電機のケータイサイト(EZキーの長押しでアクセス)から各種の専門辞書をダウンロード可能だ。

Photo フレーズ予測や自動カーソルはオン/オフが可能。自動カーソルは確定までの時間が設定できず、次モデルでの改善に期待したい

Photo
ダウンロード辞書は、最大10個の辞書を同時に利用できる。辞書の内容は確認可能。「三洋ケータイプラネット」には多数のダウンロード辞書が用意され、「ダジャレ」を予測変換できる辞書もある

ICレコーダーはステレオ対応、実用ツールとして使える「すすっとスキャン」

Photo アクセサリ機能はアラームや各種タイマー(カウントダウン、時報、電源入/切)、電卓、音声メモ、辞書などを用意

 昨今の携帯電話では、アラームやICレコーダーなどのアクサリー機能も端末選びの重要なポイントになる。ここでW52SAのアクセサリー機能を見ていこう。

 アラーム機能は最大8件まで設定でき、繰り返し設定は毎日、曜日指定などで設定可能。FMラジオの音声をアラーム音代わりに利用したり、時刻の音声読み上げさせたりすることもできる。設定ごとにアラーム音をマナーモードに従うか、強制的に鳴らすかも設定でき、例えば目覚まし利用の設定をアラーム優先にしておけば、“マナーモードの解除を忘れてアラーム音が鳴らない”という事態も防げる。

Photo アラーム(目覚まし)では時刻の読み上げなどもサポート。繰り返し指定では複数曜日を指定した設定も

 指定した時刻に端末の電源をオン/オフする自動電源オン/オフ機能も備えており、“就寝時間帯に端末の電源を自動でオフにする”ような使い方もできる。ほかにもマナーモードを任意の時間帯に自動でオン/オフしたり、設定した時間で自動解除することも可能。自動解除する時間を通勤時間に合わせれば、電車に乗車中のみマナーモードをオンにする”といったように便利に使える。

Photo タイマー機能として自動電源オン/オフもサポート(左)。ボイスメモは「ICレコーダー」の名に恥じない高性能。さまざまな設定が可能でオマケ機能にとどまらない(中)。右の画面は高音質モードで約1分間録音した際のデータ。500Kバイト弱といったところで、1時間で60Mバイト程度ということになる。1回の最大録音時間は24時間で、microSDを保存先にすることもできる

 ボイスメモはステレオ録音に対応し、2段階の音質設定やマイクの指向性の切り替えに対応。音声は3g2フォーマット(音声コーデックはAAC)で保存され、PCにコピーすればQuickTimeプレーヤーなどで再生できる。ステレオ対応なら複数人での会議を録音した時にも声の方向から誰が話したのかを特定しやすく、ICレコーダー代わりに使えそうだ。

 なお録音中はメールを受信しても通知のみで録音は継続するが、音声着信があると録音は終了する。そのため録音を優先する場合には電波OFFモードに切り替えておく必要がある。ここは電波OFFモードを呼び出すより、ボイスメモ機能の中で設定を変更できた方が便利だと感じた。

 カメラ機能はオートフォーカス付きの200万画素CMOSと、昨今の端末として標準的なスペック。ユニークなのは、カメラを情報取り込みツールとして利用する「すすっとスキャン」を搭載している点だ(同時期に発表した「W53SA」にも搭載)。この機能はその名の通り、携帯カメラをハンディスキャナのように利用するもので、ハンディスキャナと違ってカメラを4方向に移動できる。そのため、任意の部分のみの取り込みが可能だ。

Photo
カメラ機能は静止画、動画、バーコードリーダーに加え、実用面やコミュニケーション面で役立つ機能も装備。「パシャ文字カード」は紙に書いた文字などを撮影して合成する機能。「パシャ文字メモ」はコントラストを自動調整して文字が強調されるように撮影する機能だ
Photo 左の画面のように、紙の書類から必要な部分だけなぞるようにして撮影できる。中の写真は拡大表示したところで、自由にスクロールしながらデータを閲覧できる。右は「パパっとパノラマ」で撮影した画像。ビデオ録画するようにカメラを水平に移動しながら撮影すると、パノラマ写真が作れる

 書類などを撮影するなら、カメラを高解像度に設定して撮影する手もあるが、「すすっとスキャン」を使えば撮影時のディスプレイ表示がほぼそのまま保存されるため、撮影後に読めるか読めないかをいちいち確かめる必要がない。そこがこの機能のメリットといえるだろう。

 カメラを利用した文字認識機能も備え、読み取った文字列をそのままアドレス帳やメモ帳に登録できるほか、和英/英和辞書を使った翻訳も行える。

Photo
キャラクターリーダー(文字認識)は対象別に撮影モードを選択することで認識率を上げられる。「カメラde辞書」は認識すると同時に辞書の内容を表示

カスタマイズすればするほど“自分仕様”に

 W52SAの魅力は、実はカタログスペックだけでは分からないところにも潜んでいる。このレビューや「W52SAの“ここ”が知りたい」記事で触れたとおり、細かな使い勝手への配慮や実用機能の質の高さは見逃せない。

 それだけに通話とメールの連携で、メール一覧から通話に連携できない点などが惜しまれる。また、幅広く設定できる文字サイズのカスタマイズも、メール一覧の文字サイズで生かせないのがもったいない。また、せっかくのワイドディスプレイと2軸ヒンジなので、PCサイトビューアの横表示にも対応して欲しいと感じた。いずれもソフトウェアの問題なので、後継端末での改善を望みたい。

 プラットフォームの共通化に伴い、基本操作などの統一化が進むau端末だが、細かいカスタマイズに対応したW52SAを使ってみると、使い勝手にはまだ工夫や改善の余地があったと実感させられる。ワンセグ機能に加え、基本機能の使い勝手や実用的な機能にこだわりたい人には、おすすめの端末だ。

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