これまでにない、新しい取り組みの端末が登場した2007年:ITmediaスタッフが選ぶ、2007年の“注目ケータイ”(編集部後藤編)
番号ポータビリティが始まった2006年なみに多数の携帯が登場した2007年。今年の注目端末を「普段使いで便利だった端末」「この仕事をしていなければ使いたかった端末」「デザインに惚れ込んだ端末」「チャレンジ精神を称えたい端末」というカテゴリーで選んでみた。
番号ポータビリティが始まった2006年なみに多数の携帯が登場した2007年。今年の注目端末を「普段使いで便利だった端末」「この仕事をしていなければ使いたかった端末」「デザインに惚れ込んだ端末」「チャレンジ精神を称えたい端末」というカテゴリーで選んでみた。
普段使いで便利だった端末――「W52CA」「D905i」「F905i」
2007年は普段使いの端末を機種変更する機会が少なく、ある程度の期間使い続けたのは「W52CA」「D904i」「F904i」の3機種。いずれも普段使いではわりと気に入って使い続けた端末で、ドコモ端末の2機種については最新モデルの「D905i」と「F905i」で、前モデルの不満点が解消された。これらの端末について、便利だと感じた点や気に入った点を紹介しよう。
D904iとF904iを選んだ理由は、待受カスタマイズ機能の便利さに尽きる。この機能は待受画面上にカレンダーや直近の予定、各種着信、メモなどを表示する機能。D904iは端末を開くことなく、F904iは端末を開くだけでその日の予定やメールの着信を確認できるのがこの上なく便利だった。
待受カスタマイズで表示した情報に、待受画面からすぐアクセスできるのも便利な点で、例えば、待受カスタマイズにメモを割り当てておけば、思いついたアイデアをすぐメモできる。実際、2007年の誌面で手がけた企画の中には、ふと思いついたときに端末にメモしておいたものもいくつかあったりするほど、よく使った機能の1つだ。
そして、この機能を引き継ぎながら、各種機能を強化したのがD905iとF905iだ。いずれもフルワイドVGAのディスプレイを搭載し、下り最大3.6MbpsのFOMAハイスピードに対応。“音楽を聴きながらアプリ(jigブラウザ)を使えない”という、前モデルの不満点も解消されるなど、普段使いにしたいと思わせる進化が見られた。
W52CAは、バスタイムにWebを見たり、ブログにコメントしたりできたら便利だと思って選んだ端末。私が使った限りでは、UI面で特に使いづらいと思う点もなく、優等生的な出来だ。待受画面上によく使うツールを置くことができ、そこから手軽にアクセスできるのも好印象。ただ、もう少し薄くなったらうれしいとも思う。
特筆すべきはやはり、プリセットコンテンツだろう。アデリーペンギンに次ぐプリセットキャラの「Bonite」(カツオ)は、ちょっとシニカルなシーンも出てくるユニークなもので、期待を裏切らない。また、デフォルトのタイマー音が、いかにもアラームという音ではなく、クラシックの名曲「金平糖の踊り」なのにも驚いた。さらにカシオ端末のユーザー向けサイト「GET CA」からダウンロードできるコンテンツも、カシオ計算機らしいクールでかわいいアイテムが多数用意されている。プリセットコンテンツとメーカーの努力で、アイテムを買い足すことなく、長く愛着を持って使える端末に仕上げているところには、“さすがカシオ”と感心させられる。
この仕事をしていなかったら使いたかった端末――「SO703i」
この仕事をしていると、いろいろな機能を試す必要に迫られることから、普段使いの端末にはハイエンドモデルを選ぶことになってしまう。しかし、今年は魅力的なミッドレンジモデルが多数登場しており、その中には使ってみたいと思う端末がいくつかあった。
その1つが、日本初の香り付き端末として登場した「SO703i」。香りによる癒し効果は魅力的で、背面のパネル越しにイルミが浮かび上がるところも気に入ったポイントの1つだ。また、撮った写真やメール、予定表をカレンダーにひもづける「ライフタイムカレンダー」が搭載されているのもいい。3Gローミングに対応していたら、買い増し端末として買っていたかもしれない。
デザインに惚れ込んだ端末――「L704i」「N703iμ」「W52SA」
今年もデザイナーズブランドの携帯が多数登場したが、インハウスデザイナーが手がけた端末の中にも目を引くものがいくつかあった。
1つはLG電子の「L704i」。フラットでつややかな背面パネル、そこに浮かび上がるソフトキーのライトはとても美しい。時々、妙に写真写りがいい端末があったりするが、L704iは、実際に見るとさらに美しさが際だつ端末だ。
「N703iμ」は、“今までのケータイを、ただ薄くした”というのではないデザインが秀逸だ。薄さを生かしたスポーティなボディにディンプル加工が施され、その下から赤いLEDが光るという、これまで見たことがない雰囲気を携帯に持ち込んだのが面白い。
「W52SA」は、初めて見たときにはそれほど印象に残らなかったが、レビューなどで見ているうちに、だんだんデザインに惹かれはじめた。各色ごとに手触りや質感を変えたり、端末の先端部にキラリと光るアクセントをつけたりといろいろと工夫していながら、それがうるさくない。長く使っても飽きがこないシンプルなデザインでありながら、ちょっとした遊び心がある端末を作るのは難しく、それをうまく形にしている印象だ。
チャレンジ精神を称えたい端末――「D800iDS」「fanfun 815T」(キャラケー)
「D800iDS」は、コンセプトモデルとして披露した2画面ケータイを製品化した端末。ダイヤルキー面もディスプレイになっており、使う人のレベルに合わせてキーレイアウトを変えられるという“思いやり”にあふれた端末だ。実際に使ってみると、こなれていない点も多々見受けられるが、携帯電話の新しい形を提案した点や、新しい技術を積極的に取り入れた点に好感が持てる。ここで培った技術を生かした、どんな新しい端末が出てくるのかに期待したい。
2画面ケータイ「D800iDS」。ダイヤルキー部分には、振動デバイス「フォースリアクタ」を内蔵し、キーを押した時の感覚を再現。背面には9×10のLEDが内蔵され、パネル越しにイルミが光って電話やメールの着信を知らせる
fanfun 815Tは、“この端末自体”というよりも、この端末をベースにした「キャラケー」の展開に驚かされた。W53Sの“着せ替えパネル100種”もインパクトがあったが、fanfun 815Tはパネルだけでなくグッズまで用意したところがすごい。在庫や店頭レイアウトの問題をものともせず、ここまで手の込んだ展開を図った端末は例がなく、このこだわりぬいた取り組みを称えたい。
番外編:スライドのアイデアに惚れた端末――「N95」
海外出張時に使ったNokia製の「N95」は、スライド機構がユニーク。端末を少しだけ下にスライドさせるとAV関連の操作キーが現れると同時に横表示に切り替わり、上にスライドさせると縦表示に戻る。コンテンツ閲覧時は横表示で利用するというスタイルを、うまく操作体系に生かした格好だ。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
底面に搭載するカメラはレンズカバーを開くと起動し、かなり強い光量の撮影補助用ライトを使って暗い場所でもきれいな写真が撮れる。日本語版が出たら使ってみたいと思った端末だ。
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