カメラ機能をまとめてチェック──「905iシリーズ」:室内・動画撮影編:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(5/5 ページ)
全機種、ほぼ横並びで高いカメラスペックを備える905iシリーズ6機種。では、ケータイカメラをよく使う「室内」でどう撮影できるか、そして動画撮影はどうか。905iシリーズカメラチェック企画の最終回は室内編と動画編、そして総評をお届けする。
「どれがいいか」はけっこう難しい
では、いろいろ撮り比べてみたところで、機種別に総括を。
D905iは操作性もそこそこで広角レンズがうれしい。暗い場所での写り以外は悪くない。こちらはもう少し機能を絞ってもらえると助かる、といったところ。
使い勝手で一番気に入ったのはF905i。ディスプレイを横にぱたんと倒したらすぐカメラが起動し、さくっと撮れるのが楽しい。ただし、画質面では不満がけっこう残る。
N905iとSH905iは、撮影時のスタイルで縦位置と横位置を使い分けられるのが気に入った。横向きに構えるデジカメスタイルで撮るときは操作性が少し落ちるけれども、細かい操作をしようと思わなければいいか。こちらは、マクロモードのオン/オフだけはデジカメスタイル時でもさっと切り替えられるようにしてほしい。たぶん普通の人が撮影時にさっと切り替えたいと思う機能はそれだと思う。ちなみにN905iは苦手なシーンもあるものの手ブレ補正はそれなりに頑張っていたし、今回の6機種で唯一搭載する顔認識AFも思ったよりしっかり働いてくれた。
P905iは全体で見るとそこそこバランスがとれ、特別な弱点がない。今回は“VIERAケータイ”ということでワンセグがメインになっているせいか、510万画素カメラを搭載しながら、せっかくのユニークな横開きスタイルがカメラ機能で満足に使えないのが大変残念。いつかはカメラ機能にこだわったLUMIXケータイでも作ってほしいと思う。
かつてケータイのカメラ機能で優れていると思っていたのが“SH”端末であった。SH905iは確かに色鮮やかで見栄えのする絵を出してくれるが、今は“SH”だから特別に優れているとはいえなくなったように思う。撮影時のファインダー画面表示が粗いとか、室内でのホワイトバランスがあまりよくないとか、気になる点がやや多く見受けられた(注:2月6日、プレビュー画面の画質改善などを行うソフトウェアアップデート開始)。主力機能が“AQUOS”(つまりワンセグ)になり、カメラには以前ほど力を入れなくなったのかもしれない、と勘ぐってしまうほどだ。
SO905iは、派手さはないけど堅実な画質に好感が持てた。しかし、ケータイカメラの画質に求められるのはナチュラルさや堅実さではなくて、見栄えのする鮮やかな絵だとわたしは思っている。きれいに撮れる楽しさが一番なのだ(それこそ、東京のよどんだ空がカリフォルニアの青い空のように撮れちゃっても構わない感じで)。その点でちょっと不満が残る。ただ、追ってCyber-shotケータイとして登場する「SO905iCS」はどんな感じか、少し楽しみだ。
今回は6端末もいっぺんに試した上に、端末ごとに操作系が少し違うのでやや混乱したけれども、まあどれも個性的であった。
バックナンバー
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