新聞を読めて音楽も聴ける“現代の巻物”――巻き取り式電子ペーパーケータイ「READiUS」:Mobile World Congress 2008
画面は大きくしたい、でも本体はコンパクトにしたい――。多くの携帯メーカーが抱えるこんな悩みを、ユニークな方法で解決してみせたのがPolymer Visonの電子ペーパーケータイ「READiUS」だ。5インチの電子ペーパー部は、使わないときに巻き取って収納できる。
Polymer VisionはMobile World Congress 2008の同社ブースで、5インチの電子ペーパーディスプレイとHSDPA対応の通信モジュールを内蔵したモバイル端末「READiUS」を披露した。コンテンツのダウンロードや電子ブックリーダー、電子メール、音楽プレーヤーなどの機能を備え、携帯電話としても利用可能。通信方式はHSDPA/W-CDMA/GSMに対応する。
折り曲げられる電子ペーパーを採用、使わないときには巻き取って収納
READiUSは、折り曲げられる5インチの電子ペーパーをメインディスプレイに採用したモバイル端末。ディスプレイ部を未使用時に巻き取って収納できるようにすることで、携帯電話に求められる大画面と本体の小型化を両立させた。電子ペーパーはバックライトを必要としないことからディスプレイ部を薄くでき、電源を切っても表示内容を保持できる。こうした特性が、省電力化や小型化に貢献しているという。
本体部分には5つの操作キーとメニューキーなどがあり、ボタン上で指先をスライドさせると画面を上下にスクロールできる。機能面では電子書籍リーダー、電子メール/SMS、ポッドキャスト、RSSリーダーなどを利用できるほか、音楽再生にも対応している。なおREADiUSからは直接文字入力できないためメールなどは受信専用となる。
さらにPCと接続して専用ソフトを利用すれば、RSS/ポッドキャストの配信設定や電話帳編集などが可能になる。電子ブックなどのコンテンツ購入はHSDPA回線を利用したオンライン経由のほか、PCでダウンロードしたコンテンツを転送して利用することも可能だ。Webブラウザは搭載していないが「将来は搭載を検討したい」(説明員)という。
この端末は2008年第2四半期から第3四半期の間に、イタリアの通信キャリアTIMから発売される予定。価格は未定だが、「電子新聞購読とセットでの割引き販売など、コンテンツと組み合わせた販売モデルなども考えられるのではないか」(同)とのことである。
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