多彩なマルチメディア機能をケータイで――ノキアに聞く「X02NK」(前編)
「N95」をベースに開発された「X02NK」は、ソフトバンクモバイルのXシリーズとして登場することからパケット定額プランに対応。多彩なマルチメディア機能を料金を気にすることなく楽しめる。この端末が持つ機能の特徴や利用シーンについて、ノキアに聞いた。
Nokia Nseriesの「N95」をベースとしたマルチメディア端末として登場するのがソフトバンクモバイルの「X02NK」。Xシリーズとして投入されることから、月額最大9800円のパケット定額プラン「PCサイトダイレクト」にも対応し、同機が持つ独自のWebブラウザやブログ・SNSへの投稿機能をコストを気にすることなく楽しめる。また、Symbianの認証を取得した「Symbian Signed」アプリをインストールできることから、カスタマイズの楽しみも味わえる。
この端末のコンセプトや利用シーン、機能の特徴について、ノキア・ジャパン プロダクトマーケティング部のシニアマネージャー、小林潔氏に聞いた。
「X02NK」で、“これまでにないマルチメディア体験”を提供
NokiaのNseriesは、音楽機能やカメラなどのマルチメディア機能にフォーカスしたブランドとして誕生し、HDDを搭載したミュージックモデルやカールツァイスレンズを搭載したデジカメモデルなどをラインアップしてきた。こうした流れは、X02NKのベースモデルとなったN95でさらに進化し、1つの端末の中に“GPSあり、ビデオあり、カメラあり、音楽あり”といった多彩な機能を用意するとともに、PCインターネットとの親和性を高めて“これまでにないマルチメディア体験”の提供を目指すようになったという。
具体的には、端末の単体としての使い勝手を向上させるとともに、インターネットやPCとの連携を強化することで、携帯利用の新たな方向性を打ち出したい考え。そして、日本向けの端末として、最初にこのコンセプトを打ち出すのがX02NKというわけだ。
「注目してほしいのは、ビデオ、マップ、写真、音楽、インターネットで使い勝手がどう変わったか。日本向けのNseriesではこれらのカテゴリーを厚くして、新たなソリューションを増やしたり、パートナーとの提携を行っていく方針です」(小林氏)
撮ったその場でmixiに投稿、画像整理もおまかせ――フォト・エクスペリエンス
カールツァイスレンズを搭載した500万画素カメラで新たなユーザー体験を提供しようというのが「フォト・エクスペリエンス」。その中心になるのは、写真を撮ったらすぐブログやSNSに投稿できる「シェアオンライン」という機能だ。
このサービスは、前モデルの「705NK」向けにも提供していたが、同端末がパケット定額プランに対応していなかったことから「試験的なサービスにとどめていた」と小林氏。春モデルのX02NKは、定額プランのPCサイトダイレクトに対応するので、料金を気にせず利用できる。
カメラ機能を使って写真を撮影すると撮影画面上に地球儀のアイコンが表示され、それをクリックするだけでmixiに写真を投稿できる。アップの方法は2つあり、1つはワンクリックでアップするパターン。この場合はタイトルが日付になって写真のみがアップされる。もう1つはタイトルや内容を入力してアップする方法で、絵文字も入力可能だ。
携帯を使ったmixiへの投稿は、メールに写真を添付することでも行えるが、シェアオンラインはもっと直感的に写真を投稿できると小林氏。メール添付の場合は写真を撮影したあとにメール機能を呼び出し、宛先を指定するなどの操作が必要になるが、こうした手間をかけることなくアップできるからだ。また投稿時には、5Mピクセルモードで撮影した場合でも、写真を自動で最適なサイズに変換するので、レスポンスも速いという。
端末発売当初の対応サービスは「mixi」「Vox」(Six Apartのブログ)の2つだが、パートナーは順次拡大する考えだ。「mixiと組んだ理由はユーザーが多い大手SNSサービスであり、mixiの日記がポピュラーであるため。海外では人気写真共有サービスのFlickrとも連携しています。配信フォーマットにはRSSフィードのATOMを使っており、これを採用しているサービスも多いので対応を呼びかけたいと考えています」(小林氏)。
サービスの提供にあたっては、サービスプロバイダがノキア・ジャパンとライセンス契約を結び、仕様の開示を受けたプロバイダがそれに沿ってアプリを開発することになるという。
フォトエクスペリエンスのもう1つのポイントが、PCと端末の連携用ソフト「Nokia PC Suite」に含まれる写真管理ツールの「Nokia Photo」だ。
PCとX02NKを接続するだけで端末内の写真を取り込むことができ、撮った写真をタイムラインや日付ごとに表示したり、拡大/縮小したり、スライドショーとして楽しんだりできる。そして小林氏が“ノキアならでは”の機能として推すのが、タグ機能だ。「海外でX02NKを使って写真を撮影すると、その端末のローミング情報を見てロケーションタグが自動で付加されます。例えばフィンランドで写真を撮った場合には、自動でフィンランドというロケーションタグが付くので、Nokia Photo上で“フィンランドの写真だけを見たい”時にはフィンランドタグをクリックするだけでいいのです」(小林氏)
タグはNokia Photo側で自由に付加できるので、名前やイベント名でタグを付けて写真を整理することも可能。タグをサポートするブログなら、タグ付きで写真をアップロードできるのも便利な点だ。
「写真を撮るだけでなく、PCに取り込んでタグを付けて整理し、Nokia PhotoからWebに投稿もできます(対応するのはmixiのみ)」(小林氏)
音楽もPodcastもケータイ1つで――ミュージック・エクスペリエンス
X02NKはYahoo!ケータイに対応しないことから着うたフルは利用できないが、手持ちのCDの楽曲やPC内にある音楽データを端末に転送して聴くことが可能だ。端末側ではAAC、MP3、WMA(Windows Media DRM)の再生に対応し、S!ミュージックコネクトなどのオンライン音楽販売サイトで購入したWMAの楽曲データも楽しめる。
X02NKでは端末側の操作も直感的に行えるよう工夫されており、ディスプレイ部を少し下にスライドさせると音楽操作用のキーが現れ、携帯音楽プレーヤーを利用するのと同じ感覚で再生や停止、前後曲へのスキップなどを行える。
そして新たに搭載されたのが、ポッドキャスト機能だ。番組をWeb検索で探すことができ、登録して「更新」を選べばRSSフィードで番組情報が更新され、番組をダウンロードできるようになる。
番組の保存先やどのネットワークでファイルをダウンロードするかは任意に設定でき、例えば“端末が自宅の無線LAN環境下にあり、登録したポッドキャストの番組が更新された場合に、自動で外部メモリにダウンロードする”といった設定も可能だ。
すでにiTunesなどで番組を登録している場合でも、OPML形式で出力したファイルをインポートすれば、登録している番組を端末内に取り込める。
後編では、X02NKの「マップ」「ビデオ」「インターネット」の機能について紹介する。
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