第2回 オープンな「X02NK」は、“どこまで自由”なのか:「X02NK」ロードテスト
ノキアのX02NKは、一見すると“フツーの音声端末”のようにみえるが、キャリアが提供する多くのサービスに対応していない点は把握しておいた方がいい。ただ、それを補ってあまりある“オープンな楽しみ”を満喫できるのも事実だ。
ソフトバンクモバイルの「X02NK」は、「Xシリーズ」として登場することからも分かるとおり、一般的な音声端末とは異なる“スマートフォン”という位置づけになっている。もっとも、サイズや重さは音声端末と変わらず、特に不便だと感じることもない。
ただ、キャリアが提供するサービスへの対応は、一般的な音声端末とは異なる点が多い。ここではその違いをピックアップしていこう。
まずX02NKでは音声通話とパケット通信以外の、キャリアが提供するサービスについては、利用できないものも多い。ソフトバンクモバイル端末として、X02NKでできないことをピックアップすると、だいたい以下のようになる。
- Yahoo!ケータイ(ソフトバンクモバイルの携帯電話向けポータルサイト)に対応せず、キャリア仕様のS!アプリや着うた・着うたフルなどのコンテンツを利用できない
- S!情報チャンネル、S!速報ニュース、きせかえアレンジ、Yahoo!mocoa、S!タウン、S!ともだち状況、S!一斉トーク、S!おなじみ操作といったキャリアのサービスに非対応
- デコレメールを送受信できない(受信はテキストのみとなる)
- FeliCaに非対応で、おサイフケータイとして使えない
ただし、料金の確認やメール設定の変更、料金プランの変更などはPCからMy SoftBankサイトにアクセスすることで行え、X02NKの本体からでもXシリーズ向けのMy SoftBankを利用できる。
キャリアのサービスで利用できるのは、おおむね以下の機能だ。
- 留守番電話サービス(ネットワーク)
- SMS/MMS(S!メール)
- パケット定額(PCサイトダイレクト)
- S!ミュージックコネクト
- TVコール
この“自由さ”こそが、X02NKの醍醐味
それでは、X02NKならではのメリットは何か。それは“自由度が高い”ことにつきるだろう。SIMロックこそかかっているが、これはパケット定額(PCサイトダイレクト)とのトレードオフでやむを得ないところ。2年間、継続して利用(ソフトバンクモバイルと契約)すれば、実質3万円台で手に入るこの端末を自由に使いこなすには、パケット定額は事実上必須なので、悪いトレードオフではないだろう。
X02NKで自由度が高いと感じる点を挙げると以下のようになる。
- MP3もWMAもAAC(iTunes)も、microSDに直接コピーすれば再生できる
- 内蔵のメディアプレーヤーで再生可能な音楽/動画ファイルなら、何でも着メロや着うたとして設定できる
- メモリが許す限り、自由にマルチタスクできる。Bluetoothで音楽を聴きながら写真を撮影することも、フルブラウザを使うこともでき、できない組み合わせを探すほうが難しい
- Blueototh利用の自由度が高い。音楽を聴きながらデータを交換でき、ハンズフリーデバイスでもすべての音を聞ける。IP電話でも何でもハンズフリーで利用できる
- ビデオ出力できる機能が限定されない。待ち受け画面からアプリまで、ほぼすべてをテレビ画面に表示できる
- 世界中で開発されているSymbian SignedのS60(X02NKのOS)用アプリを利用できる。YouTubeの動画やPCサイズのDivXフォーマットの動画を再生するためのソフト、MS系/Skypeなどの互換メッセンジャーもある
スマートフォンという基準でカテゴライズすると、Windows Mobile端末と重なる部分も多いが、例えばAdvanced/W-ZERO3[es]では、着信音にWAVファイルしか設定できないなどの制限がある。X02NKにはそういう制限もない。
さらに、“キャリアの都合やサービスに機能を合わせる”ことがないのも魅力だ。例えば、VGA以下のサイズの静止画しか編集できないとか、リサイズもVGA以下というような制限もない。最も高い解像度でバシバシ写真を撮っても、メールに添付したりWebにアップロードするのに不便を感じたりしないわけだ。そして、IP電話機能もアプリをダウンロードすれば利用できる。
ちなみに、最近の携帯電話のトレンド機能となっているGPSナビサービスは、NAVITIMEの「for SmartPhone」バージョンを利用できる。決済がクレジットカードとなる点を除けば、ほぼ機能面の制限なく利用できる。個人的には無線LAN接続で利用できる点もうれしい。地図がビュンビュンと快適に動かせるからだ。
X02NKは、国内メーカー製端末でおなじみの各種サービスには対応していないものの、キャリアの仕様にさほど縛られずに開発されたことから、ユーザーが疑問に感じるような制限からは解き放たれている感がある。万人向けの端末とはいえないが、使えば使うほど“これでもいいじゃん”と思う人も少なくないと思うのだ。
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