5分で分かる先週のモバイル事情:5月24日〜5月30日
ウィルコム、ドコモ、ディズニー・モバイルが相次いで夏モデルを発表。イー・モバイルはIP携帯電話サービスを7月に開始すると発表した。米国ではクアルコムがBREW 2008 Conferenceを開催し、次世代ケータイを実現する技術への取り組みについて説明した。
ウィルコム、新スマートフォン「WILLCOM 03」発表、次世代PHSの名称は「WILLCOM CORE」に
5月26日、ウィルコムが新端末2モデルを発表した。1つはW-ZERO3シリーズの集大成ともいえるWindows Mobile搭載の「WILLCOM 03」、もう1つは音声定額を牽引する人気端末「HONEY BEE」のコラボレーションモデルだ。
WILLCOM 03は「スマートフォンのすそ野を広げる」というコンセプトで開発された、QWERTYキーボード搭載のWindows Mobile端末。ケータイライクな電話帳を新たに搭載し、ディスプレイ下部に表示されるタッチパネルの十字キー/ソフトキーが、発話キーを押すとダイヤルキーに切り替わる「2モードイルミネーションタッチ」を装備。Webブラウザは最新のOpera 9.5を採用し、ディスプレイ上に指をすべらせてページをスクロールしたり、ダブルタップで拡大/縮小したりできるようになるなど、操作性が大幅に向上している。
発表会では次世代PHSの名称を「WILLCOM CORE」と命名したことや、2008年度末までにFeliCa搭載端末をリリースすること、基地局に設置した定点カメラと車載システムを連携させ、渋滞情報などを提供するサービスを展開予定であることも明かされた。
ウィルコム社長の喜久川政樹氏は同社の今後のビジョンについて、垂直統合型のビジネスモデルを展開する携帯キャリアとは一線を画した、オープンなビジネスモデルを積極的に推進すると説明。「ウィルコムが目指すのは“ガラパゴスではない”ことをはっきりさせ、これからの事業を進める」とし、「ケータイにはできない“もう1つの未来”を切り開く」と宣言した。
同社は5月27日、28日の両日、年次イベントの「WILLCOM FORUM&EXPO 2008」を開催し、今後の方向性をかいま見せる多彩なコンセプトモデルを披露した。
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ディズニー・モバイル、夏モデルを発表
5月26日、MVNOとして携帯電話事業を展開するウォルト・ディズニー・ジャパンが、ディズニー・モバイルの夏モデル「DM002SH」を発表した。6月7日から販売を開始する予定で、新スーパーボーナス利用時の実質負担額は1180円/月(24カ月合計で2万8320円)となっている。
DM002SHはシャープ製の折りたたみ型端末。デザインのモチーフは「シンデレラ」で、背面にブリリアントカットを施した宝石のような透明感のあるデザインを採用した。起動時にシンデレラの映像が流れ、操作画面にチャーム・デザインを採用するなど、ディズニー・モバイルがターゲットとする20代〜30代の女性にアピールする端末に仕上がった。
夏モデルは“ドコモからのアンサー”――906i、706iシリーズ19モデル発表
5月27日、NTTドコモが夏モデル19機種を発表した。906iシリーズ8機種、706iシリーズ11機種をラインアップし、906iシリーズの一部機種は6月1日から順次発売される。
夏モデルの先陣を切って投入する906iシリーズは、動画関連機能を強化した「オールラウンド動画ケータイ」。ワンセグやビデオクリップ、Music&Videoチャネルなどの動画コンテンツに加え、新たにPC内に保存した動画を携帯から閲覧可能にする「ポケットU」を提供し、これらの動画関連コンテンツを「ドコモ動画」としてユーザーに訴求する。
また、自宅のブロードバンド環境を携帯電話で利用するサービス「ホームU」と対応端末の「onefone(N906iL)」も発表し、ホームネットワーク戦略の強化を印象づけた。
706iシリーズには新たに、使いやすさに配慮した「706ie」シリーズを導入。見やすさ、聴きやすさ、操作のしやすさを考慮した4モデルをラインアップする。
夏モデル全体のコンセプトは「ドコモからの“アンサー”」。NTTドコモの永田清人プロダクト部長は、「『こういう物があるから使ってみてはいかがですか』と提案するのではなく、すべて“アンサー”という形で作り直した」と、今回のラインアップに自信を見せた。なお夏モデルでは、下り最大7.2MbpsのHSDPAに対応した端末は投入されなかった(PRADA Phone by LGは、7.2MbpsのHSDPAに対応)。
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イー・モバイル、「IP携帯電話」を7月に開始
イー・モバイルが7月をめどに、IP携帯電話サービスを提供すると発表した。「EMONSTER」と今後発売するWindows Mobile OS搭載スマートフォン向けに提供するもので、発信だけでなく着信にも対応できるよう検討を進める。なお、提携先や料金などの条件は未定としている。
同社はまた、2008年6月に同社の人口カバー率が約85%を達成する見込みであることも明らかにした。
米QUALCOMM、BREW 2008 Conferenceを開催
米QUALCOMMがサンディエゴで、報道関係者向けの技術紹介イベント「BREW 2008 Conference」を開催。同社の今後の取り組みについて、各分野のキーパーソンが説明を行った。
次世代マルチメディア放送の1方式であるMediaFLOについては、1台でMediaFLOとワンセグの両方が視聴可能な端末を公開。QUALCOMMでは、1つの半導体チップで複数の放送規格に対応し、メーカーやキャリアなどがスムーズにビジネス化を図れるようにすることを重視しており、マルチモードに対応したチップ「MBP1600」をすでに開発済み。QUALCOMM MediaFLO技術開発部門のバイスプレジデント、マイク・コード氏は、半導体チップを提供するだけでなく、ソフトウェアの部分も提供すると説明した。
モバイルブロードバンド技術については、2009年初頭の商用化に向けて開発が進んでいるHSPA+(HSPA Evolved)に対応するチップセット「MDM8200」を開発済みであるとし、2008年中に、VodafoneやTelefonica、3などとトライアルを始める予定だ。
同社はさらに、携帯電話より大きくノートPCよりも小さい“中間領域”の端末市場向けに開発したシングルチッププラットフォーム「Snapdragon」のデモを展開。試験用のボードを用いたデモでは、Windows Mobile上で各種アプリやフルブラウザを動かす、ソフトウェアでHD解像度の映像を再生する、Linux上で各種アプリやネットサービスを利用する、といった作業などが立て続けに行われ、それぞれ高速に動作していたという。
ほかにも、ハイエンドUMTSチップセット「MSM7201A」上で動作するAndroidのデモを披露するなど、新時代のケータイのあり方をかいま見せる展示が相次いだ。
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