写真で解説する「iコンシェル」
ドコモが冬モデルでの導入を予告していたエージェントサービスの詳細が明らかになった。サービス名称は「iコンシェル」。開始当初は4つのサービスを提供する。
よりユーザーの生活に密着した携帯向けサービスを目指し、ドコモが満を持して開始するのが、エージェントサービスの「iコンシェル」だ。
このサービスは、同社が成長戦略の1つとして掲げる「ケータイのパーソナル化」の一環として提供するもの。これまでの“何かをする”ケータイから“何かをしてくれる”ケータイへと進化させることで、ユーザーに新たな価値を提供するとともに、携帯電話向けコンテンツサービスの活性化を狙う。
iコンシェルを利用することでユーザーは、あらかじめ登録した生活圏内の各種情報や自分の趣味嗜好に合った情報を、携帯電話を通じて自動で取得できるようになる。例えば、ドコモがiコンシェル向けの自社サービスとして提供する気象情報や鉄道の運行情報、災害情報などでは、ユーザーそれぞれの生活圏内の情報が自動で待受画面上に配信され、利用者はWebにアクセスしたり、複雑な操作を行うことなく、自分のニーズに合った情報を入手できる。
コンテンツのマッチングは、ユーザー自身によるプロフィール情報の登録と、ユーザーがドコモのサーバに預けた端末内データに基づいて行う。ドコモ側ではエージェントエンジンとストレージサーバを用意し、ユーザー個人に適した情報を最適なタイミングでプッシュ配信する。
メインキャラクターは「ひつじのしつじくん」
このサービスのメインキャラクターとして登場するのは、イラストレーターの吉井宏氏がデザインした「ひつじのしつじくん」。このキャラクターはiコンシェル対応のマチキャラとして対応端末にプリセットされ、プッシュ配信された情報は、このキャラクターが話しかけているかのように吹き出しで表示される。
マチキャラは各メーカーの端末に異なるキャラクターがプリセットされるほか、iアバター機能を利用して自作することもできる。
4種のサービスを提供、電話帳預かりサービスとの連携も
サービス開始当初にiコンシェルで提供するのは、インフォメーション、iスケジュール、トルカ、電話帳の4種のサービス。
インフォメーションは、ドコモが提供する情報や、ユーザー自身が好みに合わせて選んだコンテンツプロバイダの情報を、デスクトップマスコットのマチキャラを通じてプッシュ配信するものだ。
ドコモが提供するのは「鉄道運行情報」「道路交通情報」「警報/その他気象情報」「台風情報」「地震情報」「イベント情報」「暮らしのガイド」「ドコモのサービスのお知らせ」の8種。それぞれの情報は、利用者の生活エリアに最適化した形でプッシュ配信され、利用料はiコンシェルの月額利用料210円の中に含まれる。
そのほか、サービス開始当初には56の公式コンテンツを提供する予定で、音楽や旅行、ゲーム、スポーツ、ショッピング、プレイガイド、映画館、レストランなど、幅広いジャンルのコンテンツプロバイダが参画。着うたの配信開始日や映画の公開日、特売情報、アーティストのライブ情報などを自動で取得できる。
iスケジュールは、端末内のスケジュール帳にスポーツの日程やアーティストの出演予定、雑誌の発売日や特集の内容、映画の公開日などを自動入力するサービス。最初にコンテンツプロバイダからスケジュールデータをダウンロードすると、2回目以降は自動で予定が書き込まれる。サービス開始当初は、72のコンテンツの提供を予定している。
iコンシェルサービスとして提供するトルカは、これまで店頭やWebサイトから利用するたびに取得していた携帯向けクーポンを、自動で最新情報に更新するもの。いったんダウンロードしたトルカは、新たな特典やセールが提供されるたびに更新され、ユーザーは常に最新のクーポンを自動で入手できる。
同サービスの開始に合わせてジャスコやイトーヨーカドー、ハックドラッグなどのショップやスーパーマーケットのトルカが登場し、携帯電話を通じた電子チラシやクーポンの配信を開始する予定。サービス開始当初は、46コンテンツが用意される。
電話帳は、端末内の電話帳データをドコモのサーバに預ける「電話帳お預かりサービス」との連携サービスとして提供するもの。ユーザーがサーバに電話帳データを送った際、ドコモが情報を持つショップやレストランが含まれている場合は、その所在地や営業時間を自動で追加する。この情報は、ユーザーが情報を更新した際に端末に反映される。
なお、インフォメーション、iスケジュール、トルカの公式コンテンツは、iコンシェルの月額利用料210円/月のほかに、別途月額利用料金がかかるものもある。
iコンシェル向けサービスを開発できるのは、公式コンテンツプロバイダのみ
ユーザーの好みに合ったコンテンツの自動配信を可能にするiコンシェルの各種サービスだが、同サービスをフルに活用したコンテンツを開発できるのは、公式コンテンツプロバイダのみとなる。
ドコモによると、「インフォメーションと電話帳については公式コンテンツプロバイダのみの対応となる。iスケジュールとトルカは、自動更新に対応しないダウンロードのみのデータについては仕様を開示しているので、一般サイトの運営者でも開発できる」としている。
シリーズ名 | 対応端末 |
---|---|
STYLEシリーズ | N-02A、P-02A、P-03A |
PRIMEシリーズ | F-01A、F-03A、N-01A、P-01A、SH-01A、SH-03A |
SMARTシリーズ | N-04A、P-04A、P-05A |
PROシリーズ | SH-04A |
関連記事
- 2008年冬モデルから読み解く、キャリアの携帯戦略――NTTドコモ編
au、ソフトバンクモバイルに続いて、11月5日にNTTドコモが2008年冬〜2009年春商戦向けモデル22機種を発表した。auやソフトバンクと比べて、今回のドコモの新ラインアップは「次の10年」を見据えた強力な市場提案力や商品訴求力を持つ製品群だと感じた。2009年は「ドコモの時代」になるかもしれない。 - 「機能ありき」反省、ユーザー指向に 一挙に新4シリーズ・22機種投入のドコモ
「機能ありき」ではなく、ユーザー指向のケータイに。ドコモの新端末22機種は「STYLE」「PRIME」「SMART」「PRO」の新4シリーズで登場した。携帯販売が落ち込む中、新端末ラッシュで買い換え意欲を刺激していく。 - ドコモ、2008年冬モデル22機種発表──新型番で新たな4シリーズ展開
ドコモは2008年冬モデル全22機種を発表。過去最多数の機種を用意し、8機種のタッチパネルケータイを投入する。ほかにも8M CCDカメラや3Wayスタイル、HTC・Nokia・RIM製スマートフォン、横スライドQWERTYキー、多色、防水、ブランドコラボなど多彩なラインアップで展開。ユーザーエージェント機能「iコンシェル」やウィジェット機能「iウィジェット」などの新サービスも始める。 - 写真で解説する「iウィジェット」
au、ウィルコム、ソフトバンクモバイルに続いてドコモもケータイ向けウィジェットサービスを開始する。他キャリアのウィジェットとは異なり、ウィジェットキーを押すと画面上に表示される仕組みだ。 - 新ドコモ宣言、第2幕へ――ドコモの山田社長、「究極のケータイ」目指す成長戦略を発表
4月の新ドコモ宣言から半年――。顧客満足度重視の戦略へと舵を切ったドコモの施策は、着実にその成果を上げている。ドコモの山田隆持社長は決算会見で、その先の取り組みに言及。3つの大きなチャレンジで、持続的な成長を目指すとした。 - 秋冬モデルにエージェント機能を搭載する――ドコモの山田社長
「○○するケータイ」から「○○してくれるケータイへ」――。ドコモの山田隆持社長が、ケータイ向けエージェント機能を秋冬モデルに搭載することを明らかにし、サービスの一端を紹介した。 - auもエージェントケータイ――2009年1月からβサービス開始
利用者の好みや行動履歴に合った情報を携帯向けに配信――。KDDIが携帯電話向けエージェントインタフェースを開発し、2009年1月からβサービスを開始する。対応機種は秋冬モデルの2モデルで、今後対応機種を順次拡大する予定だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.