触れると分かる「本当の使いやすさ」に自信──Wオープン3代目の集大成「P-01A」開発の真意(後編):開発陣に聞く「P-01A」(3/3 ページ)
利用シーンに応じてキー配列が変わる“2WAYキー”と軽量コンパクトなすっきりデザインが特徴の「P-01A」。後編は、“実は大きく便利に進化した”というワンセグやカメラ機能、ドコモ新サービスの対応に関する開発の裏側、そして、どんな「ユーザーの要望で改善した」機能があるかを探る。
“ジミ”だが重要──ユーザーの要望に応えた改善ポイントも多数
── ドコモの新サービス「iアプリオンライン」対応のアプリは何か入っていますか。
野中氏 プリインストールはありませんが、弊社の携帯サイト「P-SQUARE」で何らかのタイトルを配信する予定です。別途、「機動戦士ガンダム U.C.0079(体験版)」や「バーチャファイターモバイル for P」などの配信はすでに決まっています。
── ドコモの新サービスといえば、P-01Aは「iウィジェット」「iコンシェル」にもちろん対応しますが、これらを搭載するにあたり、何か難しいことなどはありましたでしょうか。
ソフトウェア担当の鈴木直行氏(以下、鈴木氏) 基本的にはキャリア標準のVIVID UI(アクロディア製)でテンプレートやエンジンが提供されていますので、単に実装すること自体は困難はありませんでした。
ただ開発当初は、実装方法により動作がかなり遅くなってしまうこともありました。iコンシェルと連動する待受3Dキャラクター「マチキャラ」機能のチューニングは少し苦労しましたね。マチキャラは常に起動しているものなので、フレームレートを含めてどのくらいのレベルに落とし込まないとならないのかといった調整をかなり時間をかけて行い、ほぼ意識しなくてもよいレベルに仕上げられました。もともとキャラ電で行っていた技術を応用し、待受画面のフレーム処理に応用したのです。
── このほか、折りたたみ端末なのにキーロック機能を新設したようですね。こちらはなぜでしょう。
野中氏 実は以前からかなり要望があった機能なのです。自分はよいが、お子さんがいじって、通話履歴からリダイヤルしてしまった……といったことがあったようでして、これは対策を設けないと、と思いました。ロック設定は決定キーの長押しで行えます。
── なるほど。“P”端末はワンプッシュオープンボタンや“変身”するWオープン機構など、子どもが“おもちゃっぽく使えてしまう”ものがたくさんありますからね。ましてや今回のP-01Aは“変化”する2WAYキーもありますね(笑)
野中氏 ……(笑)。このほか、ユーザーさんの要望で、内蔵メモリを100Mバイトから250Mバイトに増やすとともに、横からののぞき見防止機能「ビューブラインド」の使い勝手も向上させました。
鈴木氏 ビューブラインドは、設定画面で効果をプレビュー表示できるようにしました。今までは効果レベルを選ぶだけでは効果を確認できず、決定しないと有効になりませんでした。
ちなみにビューブラインドは[8]キーの長押しでオン/オフを切り替えられます。このほか、[5]の長押しでバックライトの輝度もワンタッチで下げられます。バッテリーが減ってきたときなどにちょっと便利に使えると思います。
さらに“ちょっとジミだけど便利になった機能”つながりで、アンテナとバッテリーのピクトアイコン“だけ”を変える機能も設けました。
従来の端末もきせかえツールで一括変更できましたが「そうではない、ピクトアイコンだけ変えたいのだ。なぜなら常に表示されているものだからだ」という声をかなりいただきまして。別デザインのピクトアイコンはP-SQUAREでも配信する予定です。
沢村氏 このように、新しい2WAYキーだけでなく、確実に使いやすく便利にする改善も行っています。11月19日に発売されるP-01Aの進化を、ぜひ携帯ショップなどで手に取って確かめていただきたいと思っています。
P-01Aで、少し「寝坊」しにくくなるかもしれません
携帯を目覚まし時計として活用する人は多い。詳しくはこちらを参照願いたいが、今までの“P”端末は、目覚まし機能に“かなり大きな欠点”があった。
それは「スヌーズ時の画面表示時刻」である。今まで、スヌーズ中画面に大きく中央に表示されるのは“設定したアラーム時刻”であり、現在時刻は下に小さく表示される仕様だった。
ある日、「寝坊して遅刻した。どうしてくれる」という悲痛の声が届いた。6時にセットしたアラームで、スヌーズ機能を利用して2度寝、3度寝の「あと5分」な心地よい眠りに。なぜなら寝ぼけながら確認したスヌーズ画面はまだ6時だから。もちろん寝ぼけているので「さっき見たときも6時だったよね」とも認識できない。それを何度か繰り返し、とっくに出社すべき時間が過ぎていたというオチのようだ。
鈴木氏 はっと思い、急遽対応しました。ソフトウェア開発チームにおいて、実は今まで誰も気がつきませんでした。P900iあたりからずっと同じ仕様だったのです。P-01Aから「現在時刻を大きく表示する」仕様に変えました。
このほか、ユーザーの要望でこれらの改善も行われた。
- ブックマークの最大登録件数 100件→300件に増加
- 画面メモの最大登録件数 100件→300件に増加
- アイコン時計のフォントを6種類から選択できるようにした
- 文字サイズ設定に「特大表示」を追加
- データBOXから表示したときのデコメ絵文字を大きく見やすくした
- プライベートメニューもVGAフォント表示対応に
- フォントに「明朝体」追加 計3種類に
- 同じ時刻に複数のスケジュール登録可能に
- スケジュールの最大登録件数2500件に増加
- メール作成画面からカメラを起動すると、自動でメール添付に適する「待受サイズ」に変更するようにした
- 横向きメニュー時も時計の表示位置を変更できるようにした
など。
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