「WILLCOM D4+MapFan Navii」は、どこまで“カーナビ”になるか(前編)(4/4 ページ)
WILLCOM D4をカーナビにしてしまうPCカーナビソフト「Mapfan Navii」が登場。専用カーナビと比べて、どこまで“カーナビ”として使えるか。どこにメリットがあるのか、実際に専用カーナビと使い分けながら検証した。
カーナビとしての実用レベルをチェック「ガイド機能と測位精度」
では、専用カーナビと比べると何が違うだろうか。今回は以前からクルマに搭載するパイオニア製「楽ナビ AVIC-HRV22」(2006年発売)を比較対象とする。
MapFan Naviiで今回GPSユニットして使用した「UMGPS」は、測位情報の更新が1秒間隔なので自車位置の更新も1秒おきに行われる。GPS信号をきちんと補足できる場所であれば数秒で現在地を認識し、自車マークの位置が更新される。一方、AVIC-HRV22は1秒間に10回も測位を行い、さらにジャイロや車速センサーなども備えるので、自車位置がほぼリアルタイムに更新され、地図の表示はなめらか。位置のずれもほとんど起きない。
この点は確かに専用カーナビにかなわない。ただ、常に地図画面だけ見るわけではないドライバーとしては、常識的な速度で走行する限り“ナビゲーション機能”としての不便はほとんど感じないのである。
地図の表示はノースアップ(北を上向きにして固定)とヘディングアップ(進行方向を上向き)の2種類から選択できる。ヘディングアップは自車位置の移動に合わせるので、走り出し時や交差点を曲がった場合などで表示が少し遅れことがある。もちろんこれも助手席などでじっくり画面を見た時に感じただけで、走行中であれば感覚的に把握できるであろうからほとんど困らなかった。
ルート案内中は、次に曲がる交差点までの距離などを音声で案内する「音声ガイド機能」があるほか、主要交差点におけるレーンガイドや高速道路の入路イラスト表示、高速道路の料金所やジャンクションまで距離も表示してくれる。
目的地までのルートは設定した条件に応じた1候補が示される。その場で条件を変更して再検索することも可能だ。ルート検索にかかる時間は都内の移動程度ならほぼ一瞬で、走行中のリルートも同様。オンデマンドVICS利用時は渋滞情報を反映させることもできる。
測位精度は、外付けのGPSユニットだけを使うものとしては必要十分なできだろう。今回はトンネルが多い首都高速環状線や、GPS衛星を捕捉しにくい傾向があるビル街の路地をわざと走行してみた。
トンネル内では当然測位できなくなり、表示の更新も止まるが、トンネルから出て1〜2秒経てば自車位置がほぼ正しく更新される。ビル街のごく細い路地においては一時的に10〜20メートルほど自車位置がずれることもまれにあるが、たいていは次の測位で正しい位置に戻り、自車位置が大幅に狂うことはなかった。少なくとも“カーナビとしてこれでは困る”と感じることは皆無だった。
これらは専用カーナビであれば、トンネル内でも自車位置を見失わなず、方向転換時の地図の回転はリニア。GPSだけで測位するMapFan Navii(というかPCナビ)の弱点は確かに存在する。ただし、実用性を大きく損ねるほどではない。印象としては、“かなり普通”にナビゲーションしてくれた。
次回は「WILLCOM D4+MapFan Navii」“ならでは”の機能をいろいろ試す予定です。
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