キャリア同士のMVNO、「不当という意味が理解できない」――ソフトバンクの孫社長
ソフトバンクモバイルがイー・モバイルのMVNOとして定額データ通信サービスを提供することについて、MVNO協議会が異議を唱えている。これに対し、孫正義氏は「不当という意味が理解できない」と反論した。
ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、同社がイー・モバイルのMVNOとして定額データ通信サービスを提供することに、MVNO協議会が異議を唱えていることについて「不当という意味が理解できない」と反論した。
MVNO協議会は、MVNOに参入するソフトバンクモバイルが自前の無線局を持って移動通信サービスを提供する電気通信事業者(MNO)であることを問題視するとともに、すでにインフラを持つMNOがほかのMNO回線を使ってMVNOに参入することは、モバイル通信網の拡大や通信事業者の多様化にもにつながらず、競争促進というMVNO本来の目的にも反すると批判している。
孫氏は、電波は国民の共有資産であり、それを可能な限り有効利用するのが国民に対する義務だと思っていると説明。総務省が定めたMVNOガイドラインに、「MNOがMVNOになれない」という記述はないが、孫氏は「仮にキャリアがキャリアにMVNOをしてはならないというルールになったら、限られた国民の共有資産である電波の有効利用が阻害されることになる。それは決して国民の得にはならない」と語気を強めた。
また、キャリアがMVNOに参入すると、自らの設備投資を積極的に行わなくなるのではないかという指摘については、ボーダフォンジャパンの買収時に2万局レベルだった基地局を5万数千レベルにまで増やした実績を挙げ、「積極的に電波を有効利用する構えであり、実績もある。MVNOを一部やるからといって設備投資を積極的に行わないわけではない」と強調した。
関連記事
- ソフトバンクのMVNO参入は「通信事業者としての責務放棄」――MVNO協議会
MVNO協議会は、ソフトバンクモバイルがイー・モバイルのHSDPA網を使った定額データ通信サービスにMVNO参入することを受け、「MNOとしての責務放棄であり認められない」という意見を表明した。 - 料金改定とおサイフケータイで「定額・低額・あんしん」をさらに推進──ウィルコム 喜久川社長
ウィルコムの代表取締役社長 喜久川政樹氏は、1月22日に発表した新料金プランとおサイフケータイについて、ウィルコムの特徴をさらに際だたせるものだと胸を張った。WILLCOM COREのサービスは、2009年4月下旬に試験サービス、10月に本格サービスを開始する。 - ウィルコムが携帯参入? ドコモMVNOで、一部報道
PHS専業のウィルコムがドコモMVNOで携帯データ通信に参入する計画があると一部が報じ、ウィルコムは「NTTドコモを含めいろいろな可能性について話し合っていることは事実」とコメントした。 - 3.9G導入用周波数、1.5GHz帯と1.7GHz帯を最大4事業者に割り当ての方針──総務省
総務省は1月23日、「3.9世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設に関する指針案等」を発表、LTEなどの3.9G通信システムを導入するため、1.5GHz帯と1.7GHz帯の周波数の10MHzもしくは15MHzを最大4事業者に割り当てる方針を示した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.