すべては“カワイイ”のために PHSからスマホへ生まれ変わった超個性派モデル「HONEY BEE 101K」:開発陣に聞く「HONEY BEE 101K」(2/3 ページ)
女子高生に人気のPHS「HONEY BEE」。そのコンセプトはそのままに、Androidスマートフォンへ生まれ変わったのがソフトバンクモバイルから発売された「HONEY BEE 101K」だ。京セラに、開発経緯などを聞いた。
「タッチパネルでの操作が当たり前になったスマートフォンですが、フィーチャーフォンを使いこなしていた層からは、操作がかえって手間になったという声がありました。特に女子高生などは、画面も見ずにダイヤルキーの押す場所と回数でケータイを操作する。そのままのAndroidでは難しいことですが、ハードキーを増やすことでその操作性に少しでも近づけたいと思いました」(漆畑氏)
最近はホームキーや戻るキー、メニューキーがセンサー式になったモデルも多いが、HONEY BEEではそれぞれのアイコンを模したハードキーを採用。さらに、発話キーとメールキーも追加し、ボディのサイドにも電源とボリュームキーに加え、カメラキーと好きなアプリを割り当てできるカスタマイズキーを備えた。フルタッチパネル操作のスマートフォンとしては、最多と言える数のハードキーを備えている。
「これらのキーも、それぞれひと工夫しています。正面側のキーは形がすべて違いますし、サイドも機能ごとのアイコンを再現しています。使いやすさはもちろん、かわいらしさも追求しました。これらのハードキーがタッチパネルでの操作を手助けすることで、もっとコミュニケーションが便利になります」(漆畑氏)
そのタッチパネル側のUIも、普通のAndroidスマートフォンとはかなり違っている。画面下に設定や機能ごとのボタンが並び、画面にはHONEY BEEのハチのキャラクターが飛び交っている。ホーム画面だけ見ていると、Androidスマートフォンとは気が付かないほどだ。UIを担当した佐藤氏は、「いかにHONEY BEEの世界観を貫くか」に苦心したと振り返る。
「これまでのHONEY BEEの評判は、とにかく『カワイイ』という声に集約されています。スマートフォンでも、こうした声に応えなくてはいけません。そこで、ホーム画面はもちろん、設定メニューまでもカスタマイズして、Androidであることを意識しないようにしています」(佐藤氏)
例えば、“ハチが踊るライブ壁紙”は開発時の最低限の要望だったという。また、アラームや赤外線通信などのアクセサリー的な機能にも、ハチのキャラクターが登場しその世界観を守っている。こうしたデザイン重視のスマホには、オリジナルのアプリがたくさんプリインストールされることが多いが、HONEY BEE 101Kでは「京セラオリジナルのアプリだけではなく、OSやGoogleの基本アプリのグラフィックテイストにも手を入れた」(佐藤氏)という。
例えば、メニュー画面や設定画面の背景にもハチの巣を表現した八角形の模様があり、HONEY BEEの世界観を踏襲している。こうしたカスタマイズは「買って初めて電源を入れたときから、HONEY BEEの世界観から外れないように」(佐藤氏)という配慮のもと施されている。さらに、ソフトバンクモバイルが提供する「S!メール」アプリも、HONEY BEE仕様にカスタマイズされた。
またUIだけでなく、バッテリーもHONEY BEEのデザインを採用。個装箱も、キャリアが定めたものではなく、HONEY BEEのためにデザインされたオリジナルのものを用意する。販売時の開け方なども従来機種と違ってくるため、販売店の協力も不可欠だ。メールアプリのカスタマイズを含め、1社の1端末のためにキャリアがここまでするのは異例中の異例といえるだろう。
「いろいろ工夫していますが、コンセプトはHONEY BEEの世界観をいかに踏襲してスマートフォンに置き換えるのかということ。また、ただAndroidにするだけでなく、オープンOSゆえの高い自由度や表現力をどう生かすのか、という点に力を入れました。使えば使うほど、さまざまな表情を見せるUIに仕上がったと思います。社内はもちろん、キャリアにもこの点を十分理解してもらい、いろいろ協力してもらいました」(横田氏)
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