徹底検証――「AQUOS PHONE EX SH-04E」はどこまで“高性能”?(1/2 ページ)
その優しい外見とは裏腹に、高いスペックを持つ「AQUOS PHONE EX SH-04E」。だが「スペックが高い=高性能」とは限らない。そこで、バッテリーの持ちや、カメラ起動の速さ、そしてベンチマークテストの結果などから、SH-04Eの性能をチェックした。
AQUOS PHONEシリーズの最新モデルである「AQUOS PHONE EX SH-04E」は、女性をメインターゲットにし、使いやすさや持ちやすさを追求しながら、スペックの高さも光るスマートフォンだ。従来、使いやすさ重視を掲げるスマートフォンはスペックを抑えたものが多かったが、AQUOS PHONE EXは4.5インチHD液晶にクアッドコアCPUを搭載し、カメラも「トリプル手ブレ対策」対応の13.1Mピクセルだ。とはいえ、その実力はスペックからは実感しにくい。そこでさまざまな機能を試し、その性能を数値化してみた。
YouTubeの動画を連続で何時間再生できる?
スマートフォンで常に重視されているのがスタミナ。大画面で高機能になれば、それだけ消費電力も増す。便利になるほどスマートフォンを使う時間が長くなり、大容量のバッテリーが必要になる。しかし大容量のバッテリーを搭載すれば本体のサイズも大きく、重くなる。そこで、どんな省エネ技術を使えるかが、最近のスマートフォンに求められつつある。
ではAQUOS PHONE EXはどうか。2000mAhのバッテリーを搭載し、バッテリーの容量はかなり大きめ。例えば約1年前のモデルであるAQUOS PHONE SH-01Dは1520mAhだ。持ちやすさを重視したAQUOS PHONE EX SH-04Eが2000mAhも搭載しているのは嬉しい進化といえる。ただし、より大きなバッテリーを積んだモデルもある。そこで重要になるのは、単純なバッテリー容量以外でいかに消費電力を抑えるか。AQUOS PHONE EXはディスプレイに「S-CG Silicon液晶システム」を採用している。このシステムでは、液晶パネルの透過率向上やバックライトコントロール処理により、明るい表示と省電力化を両立させている。また、液晶システム内に表示専用のメモリを搭載することで、静止画表示の際にCPUの画像伝送を停止でき、システム全体で省エネを図れる。
さらにシャープ独自の省エネ機能「エコ技」もある。エコ技は「標準」「技あり」「お助け」の3モードを用意し、通常は「標準」だが、「技あり」にすることで、使い勝手をキープしながら消費電力を抑えられる。また、少しでも長くバッテリーを持たせたい非常時には「お助け」モードにすることで、可能な限りバッテリーを長持ちさせる設定に変えられる。
では、AQUOS PHONE EXは実際に使うとどれだけスタミナがあるのか?
まず試してみたのがYouTubeの連続視聴だ。バッテリーがなくなるまで再生し続けたら、何時間見ることができるのかを確認した。設定環境は以下の通りにした。
- Xiエリア(アンテナが4本中3本というケースが多い)にある屋内にて静止状態で測定。
- 明るさ、音量は中くらいに固定(エコ技「標準」モード時)。
- YouTubeの再生にはアプリ「PVSTAR」を使う。
- 約10分の動画を横画面でリピート再生する。
- バッテリー残量100%から開始。
- バッテリーの消費経過を測定する「Battery Mix」アプリを使用。
さらにこの方法を「エコ技」の「技あり」モードでも試してみた。
さっそく結果を見ていこう。まずはエコ技の「標準」モード時。これは約7時間再生し続けたところでバッテリーが切れた。「通信を続ける」「画面が動き続ける」「音が鳴る」といった、いわばフルに使い続ける状態でも約7時間連続で使えたので、スタミナは十分と言えるだろう。
さらにエコ技の「技あり」モード時には、約1時間30分もスタミナが伸び、約8時間30分の連続再生が可能だった。「技あり」にすると、本来は画面の点灯時間が短くなるのだが、今回は動画を視聴し続けるため、点灯し続けた。それでも約1時間30分もスタミナが増した。動画以外の使い方――例えばブラウザを使う、メールやTwitter、Facebookを見るといった場合にはさらにスタミナが伸びるのは間違いない。
次に試したのが「静止画表示」の場合。前述したように、S-CG Silicon液晶システムでは、特に静止画を表示した際に消費電力を抑えられる。上記のYouTubeの動画では、通常時なら1時間に約14%、「技あり」時でも1時間に約12.5%のバッテリー消費があったが、静止画表示ならもっと消費が抑えられるはずだ。
今回の設定環境は以下の通り。この方法でも「エコ技」の「技あり」モードを試している。
- YouTubeテストと同じくXiエリアの屋内で連続2時間測定。
- 静止画は景色の写真を「おまかせアルバム」から表示。
- バッテリー残量100%から開始。
- バッテリーの消費経過を測定する「Battery Mix」アプリを使用。
それぞれの2時間後の結果は以下の通りだ。
静止画表示の場合、バッテリーの消費はとても緩やかだ。標準時でも2時間で14%減の残量86%。1時間あたりのバッテリー消費は約7%。技ありモード時は残量89%、1時間あたりの消費は約5.5%。動画と比べるとバッテリー消費は2分の1程度で済んでいる。
カメラの起動時間、ON速0.4秒は可能か?
続いてチェックしたのが、カメラの起動時間だ。AQUOS PHONE EXのカメラは1310万画素の裏面照射型CMOSカメラ、光学式手ブレ補正を搭載し、電子式手ブレ軽減と音声シャッター“Voice Shot”を含む「トリプル手ブレ対策」を用意。ブレやすい暗所での撮影も得意だ。画像処理エンジン「ProPix」のおかげでノイズも少なく、高い色再現性を実現し、キレイに撮れることは間違いない。
しかしそもそも「一瞬のチャンスを確実に撮る」には、キレイな写真が撮れることはもちろん、素早くカメラが起動することも重要だ。シャッターチャンスを逃してしまっては意味がない。AQUOS PHONE EXは最速で約0.4秒の起動(ON速起動)を実現しているが、これはシャープが測定した結果の数字。本当に実際の利用でも「約0.4秒」で起動できるのだろうか。そこで、カメラの起動時間をストップウォッチで計測してみることにした。
ここでの設定環境は以下の通り。
- まず事前にカメラを起動しておき、Feel UXの「ウェルカムシート(ロック解除画面)」の表示に切り替える。
- ウェルカムシートのカメラアイコンをタップし(計測開始)、シャッターボタンが表示されるまでの時間を、ストップウォッチで計る。
- もう1つ「カメラウィジェット」として「SHカメラ」というウィジェットがあるので、これをウィジェットシートに貼り、こちらからの起動時間もチェックした(押すボタンは「連撮」)。
- 以上の方法で5回計測する。
ストップウォッチの計測結果は以下の通り。
ウェルカムシートを使用 | SHカメラウィジェットを使用 | |||
---|---|---|---|---|
シャッターボタンの表示 | 撮影画面全体の表示 | シャッターボタンの表示 | 撮影画面全体の表示 | |
1回目 | 0.42秒 | 1.30秒 | 0.46秒 | 1.36秒 |
2回目 | 0.45秒 | 1.25秒 | 0.42秒 | 1.29秒 |
3回目 | 0.42秒 | 1.18秒 | 0.45秒 | 1.34秒 |
4回目 | 0.50秒 | 1.24秒 | 0.48秒 | 1.21秒 |
5回目 | 0.45秒 | 1.27秒 | 0.45秒 | 1.29秒 |
平均 | 約0.45秒 | 約1.25秒 | 約0.45秒 | 約1.3秒 |
ストップウォッチを押すタイミングに限界はあるものの、画面にシャッターボタン(カメラアイコン)は約0.4秒で表示された。ロック解除やウィジェットのタップを行い、ほとんど間を置かずにシャッターボタンが表示される、と考えてよい。ただし撮影画面全体が表示されるまでには若干間があり、こちらは1秒ほどかかる。
このように誰でも「ON速」を体験することができる。ただしカメラを起動していない状態(初めてのカメラ起動時)では起動時間が1秒台になるので、シャッターチャンスをものにしたいのなら、カメラを一度は起動させておこう。
提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2013年2月14日
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