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悲運の名機「MEDIAS W」の突き抜けた個性を分解して知るバラして見ずにはいられない(3/3 ページ)

肯定にしろ否定にしろ、登場したときの衝撃を覚えている関係者は多い。「コンパクトで大画面でマルチディスプレイ」に挑戦した“W”をその内部から検証する。

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主要ICは海外製なれど日本のチップも必要不可欠

 通信チップはQualcommの「WTR1605L」で、LTE、WCDMA、GSM(日本では使われていない)の通信、および、GPSの4役を担う。通信の出入りを管理するアンテナスイッチはソニーの「CXM3582」だ。同社のアンテナスイッチは、ほかにも多くの端末で採用している。

 通信信号増幅器は2基あり、Anadigicsとパナソニックの製品を使っている。通信用プロセッサーはQualcommのクアッドコアモデル「MSM8960」で、アプリケーションプロセッサーも兼ねる。電源管理もQualcommの「PM8921」で、通信とプロセッサー、電源で1つのチップセットを構成する。オーディオコーデックはQualcommの「WCD9310」で、同社は通信や電源以外のICにも版図を広げつつある。

 DRAMは、プロセッサーの上にPoP (Package on Package)で実装している。サムスン電子製で容量は1Gバイトだ。写真ファイルや音楽ファイルを保存するフラッシュメモリもサムスン電子製で容量は16Gバイトとなる。

 このように、メモリを含た大型ICは、海外メーカー製品がほぼ占めている。しかし、日本製部品も、通信機には不可欠の水晶発信子を2基搭載している。セイコーエプソンと日本電波工業の製品だ。また、無線LANとBluetoothモジュールは村田製作所が供給している。地磁気センサーは、この分野で世界シェアトップの旭化成が供給する「AKM8977」、ディスプレイはジャパンディスプレイ製だ。薄いボディに対応するため、厚み5ミリを切る薄型の800万画素カメラを搭載しているが、そのカメラのCMOSイメージセンサもソニー製だ。

メイン基板に実装した水晶振動子(写真=左)と、メインカメラの構成パーツ(写真=右)

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