mineo、9月に「ドコモ」プラン追加――SIMロック解除と“iPhone”問題が契機:ブルーオーシャンのはずが(1/2 ページ)
mineoは9月から、au回線に加えてドコモ回線を利用したMVNOサービスを開始すると発表した。SIMロック解除とau系格安SIMがiOS 8で使えない問題を契機に、mineo内でドコモ回線とau回線を選択できるようにする。
ケイ・オプティコムは5月26日、MVNOサービス「mineo」で、NTTドコモのモバイル回線を使用したプランを9月に開始すると発表した。mineoは現在、KDDIが提供するauのモバイル回線でサービスを提供しているが、今後はドコモ回線も選択できるようになる。
同社の藤野隆雄社長は、「9月からドコモのMVNOにもなることで、国内で初めてマルチキャリアサービスを開始する。ユーザーはスマートフォンと回線を、より自由に組み合わせられるようになる」とアピールした。ドコモ回線を使うプランの料金はまだ決まっておらず、「できるだけ分かりやすいものにしたい。auとドコモで差をなくすという考え方もあるが、それぞれ接続料が違うため差を付けるという考え方もある」(藤野社長)と説明した。
mineoがauに加えてドコモ回線も採用する背景には、この5月に義務化がスタートしたSIMロックの解除がある。藤野社長は「自由な環境を目指した制度として評価できるが、理想の実現にはまだまだ課題が山積している」と述べ、「ユーザーが、制度に対して誤解している、またメリットを感じていない様子が見て取れる。その理由の1つに、通信方式の違いで他社の回線が使えないという問題点がある」と指摘した。
「例えばauの端末をドコモのSIMを装着しても、音声通話は(方式がCDMA2000とW-CDMAで異なるため)できない。また逆に、ドコモ端末にauのSIMを装着しても、一部のデータ通信しか利用できない。こうした現状を改善するため、端末に合わせて最適なSIMをmineoで提供できるよう、マルチキャリアサービスを開始する」(藤野社長)
mineoでauだけでなくドコモ回線も選択できるようにすれば、各キャリアから購入したスマホはもちろん、SIMロックフリースマホでも、端末に合わせたSIMを提供できる――というのが、今回の狙いだ。さらに将来的な構想として、「1枚のSIMをスマホに差し込んだまま、auとドコモのネットワークを自動で選択する仕組みも実現したい」と明かした。これはエリアやネットワークの混雑状況に応じてどちらか最適な回線を選べるようにするもので、大規模災害時にも有効な手段であり「関係各所に働きをかけ、できるだけ早期に実現したい」と意気込んだ。
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