ドコモ株主総会で鋭い指摘相次ぐ――CMが意味不明/新料金は長期切り捨て/経営がソフトバンク化:減収減益で増配にも疑問(1/3 ページ)
ドコモの株主総会が開催され、加藤社長が今後の経営方針を報告した。ドコモのサービス基盤を生かした「+d」構想で中期的な収入増を目指す同社だが、株主からは疑問の声が相次いだ。
6月18日に株主総会を開催したNTTドコモ。同社の2014年度連結決算は、営業収益が前期比1.7%減の4兆3834億円、営業利益が22%減の6391億円で2期連続の減収減益だった。これを踏まえて加藤薫社長が2015年度の経営方針を説明したが、会場の株主からは鋭い指摘が相次いだ。
新料金プランとドコモ光開始、競争から“協創”を目指す「+d」構想
ドコモは2014年度、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」とNTT東西が開始した光コラボモデルによる固定通信サービス「ドコモ光」をスタート。加藤社長が「今後の競争力向上と成長軌道の礎」と位置付ける通信事業の柱だが、定額通話への移行スピードが予想より速く、音声収入の一時的な減収を招いた。
強みとするモバイル通信サービスは、下り最大225MbpsのLTE-Advanced通信「PREMIUM 4G」を開始。次世代通信規格「5G」の研究・開発も本格化させた。LTE対応基地局は9万7400局、うち下り100Mbpsを超えるものは5万7700局とエリア対策を進める一方、機材の再利用など効率化を行うことで、設備投資額を5.9%減の6618億円に圧縮している。
端末販売では好調のiPhone 6シリーズとiPadシリーズに加え、Androidスマートフォン/タブレット、フィーチャーフォンのラインアップを拡充。特にスマホ販売は6%アップし、タブレット販売も2台目需要の拡大で順調推移しているという。
またスマートライフ領域のコンテンツ・サービス収入では、電子書籍の「dマガジン」がスタートから9カ月間で190万契約を達成。4月にリニューアルした「dTV」も468万契約に到達するなど、国内有数のビデオ・オン・デマンド(VOD)に成長した。dマガジンやdTVを含むドコモの「dマーケット」は1188万契約に拡大。スマートライフ領域全体で2017年度に1000億円の売り上げを目指す。
さらに「+d」構想では、従来のサービスブランドをリニューアルし、自社のサービス基盤をパートナー企業にも提供。従前の顧客獲得競争から脱却した“協創”を実現することで、中期的な通信サービスの収入増も図るとしている。加藤社長は+dについて、「ドコモが持つ送客、サービス基盤、決済のビジネスアセットを活用した新しい商流を生み出すもの」とメリットを強調した。また「Ponta」と組んだポイント制度のオープン化や、合わせて展開するローソンとの業務提携、タカラトミーのコミュニケーショントイ「OHaNAS」などのすでにある成果も紹介した。
このほか法人向け事業として、医療用画像の共有サービス「Join」、電気自動車メーカー米Tesla MotorsへのM2Mモジュール提供を開始。健康やウェアラブル分野の研究・開発や、農業分野での東北大との研究を進め、機械翻訳技術の開発とサービス提供を行う新会社も設立した。
ドコモはこれらの取り組みに加えて約3300億円のコスト削減を図ることで、2015年度は売上4兆5100億円/営業利益8200億円の増収増益を計画している。また、4730億規模で自社株買いを進め、減収減益でありながら増配も継続する。
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