勢いを増すWindows 10、初の大型アップデートやMobile端末も発売:「モバイル・ファースト」時代のWindows最前線(1/2 ページ)
Windows 10 November Updateが配信され、日本語版「Cortana」やフォントの改善など、多数の新機能が追加された。さらに11月末には、Windows 10 Mobile搭載のスマートフォンも続々登場し、年末に向けてWindows 10の勢いが加速してきた。
Windows 10は、無料のアップデートを継続的に提供することで進化を続けていくOSだ。その最初の大型アップデート「November Update」の配布が始まっている。日本マイクロソフトは11月18日、この初のアップデートについて説明会を開催し、対話型パーソナルアシスタント「Cortana」の日本語対応や日本語フォントの改善、IMEの機能強化といった変更点を解説した。
新機能の一つが、日本語版Cortanaの搭載だ。米MicrosoftからはCortanaの開発を担当するマーカス・アッシュ氏が来日し、日本市場を重視して開発を進めていることを強調した。日本語版のCortanaはまだできることが少ないが、「日々、進化を続けている。人工知能なので、われわれは『育成中』と呼んでいる」(日本マイクロソフト担当者)と説明する。
よくあるCortanaのデモとして、「明日の天気は?」などとマイクに向かって話しかけ、天気を確認するというものがある。ステージ上ではPCの内蔵マイクと会場の音響との相性が悪く、音声認識に失敗することもしばしばあり、実用性のある機能とはなかなか感じられない。だが自然言語によるインタフェースは、将来的な応用範囲が広い。
既にマイクロソフトは、クラウド上の高度なデータ解析サービスとCortanaを組み合わせて対話できるようにしたり、Xbox OneにもCortanaを搭載し、ゲーム中のアドバイスを提供するなどの連携を予定している。日本ではWindows Phone 8.1がほとんど立ち上がらず、Cortanaの日本語対応も遅れていたという。だが今回のリリースにより、同時にWindows 10 Mobileでも利用できるようになっている。現時点でできることは少ないが、今後のCortanaにはさまざまなサービスとデバイス、ユーザーの間を媒介するエージェントとしての役割が期待される。
日本語フォントも改善、要望反映にはフィードバックを
Windows 10が採用した日本語フォント「Yu Gothic UI」も改善された。7月リリース時点の初期バージョンでは、ベースラインが崩れていたりアンチエイリアスがおかしかったりと、最低限の品質をクリアしていない印象も受けた。November Updateによる改善で、ようやく「バージョン1.0」に到達したといってよいだろう。こうした日本市場向けの開発は、日本における開発拠点であるマイクロソフトディベロップメントで行われている。
IMEの「クラウド変換」機能では、NHKの番組「すイエんサー」など変換できる語彙が増加した。辞書に登録されていない最新の流行語や固有名詞を、Bingと連携して変換する仕組みだ。ただ、既定では依然としてオフになっており、ユーザーが明示的に有効化しなければ利用できない。Bingとのやりとりは暗号化し、かつ匿名化しているとマイクロソフトは説明するものの、プライバシーに配慮して慎重になっていることがうかがえる。
今後もフォントやIMEについては、マイクロソフトディベロップメントが米国本社と連携しながら継続的にアップデートしていくという。ただ、そのためにはフィードバックの数が重要で、「日本からの声を早く反映させるためにも、どんどんフィードバックを送ってほしい」(マイクロソフトディベロップメント社長の安達理氏)と呼びかけている。
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