個性の出し方にAppleらしさを見た――iPhone 6s/6s Plusのカメラ性能を徹底比較:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/3 ページ)
Appleらしい進化を遂げたiPhone 6sとiPhone 6s Plus。撮影シーンによっては、個性の差がはっきりと出る。今回はiPhone 6 Plusも交えながら、その差をレビューしていく。
手ブレ補正の有無も大きな違い
ただ、もう1つiPhone 6sとiPhone 6s Plusには大きな違いがある。手ブレ補正の有無である。iPhone 6s Plusは光学式手ブレ補正を持っているが、iPhone 6sは持っていない。じゃあiPhone 6sは手ブレしやすいかというとそういうわけではないのが面白いところ。手ブレしそうな暗い場所では、iPhone 6sはブレにくいようシャッタースピードを高く維持するセッティングになっているのだ。夜景を撮ってみると分かる。
iPhone 6s Plusは光学式手ブレ補正が効くことを見越してシャッタースピードを1/4秒まで落としてISO感度を50に抑えているのに対し、iPhone 6sは手ブレしないよう1/15秒を維持し、ISO感度を200に上げている。ISO感度を上げるとその分ノイズが乗るわけで、両者をよく見比べるとiPhone 6s Plusの方がノイズが少なくてディテールまでしっかり出ている。
ただ1/4秒ともなると、いくら光学式手ブレ補正が入ってたとしても、ちょっと気を抜くとブレるので要注意。室内や夜間は慎重に。
どうしてもISO感度を上げると画質は落ちるのだけれども、シャッタースピードを速く維持する分、「被写体ブレしにくくなる」というメリットはある。等倍で見ないと分からないような画質差なら、シャッタースピードを維持してくれた方がいい、という考えも、特にSNSなどのようにある程度縮小した状態で見るのがメインならアリなわけで、一概にはいえない問題だ。
ちなみにiPhone 6s PlusでシャッタースピードをiPhone 6s並に上げるには、撮影ボタンを長押しして連写しちゃうという手がある。連写すると、カメラものんびりしてられないのでシャッタースピードがちょっと速くなる。日没直後くらいに撮り比べたのがこちら。比較対象としてはちょっと分かりづらいけど。
まあちょっとだけだけど、連写するとシャッタースピードがiPhone 6sと同じになるわけである。大事なのはiPhone 6sは光学式手ブレ補正を持たないため、iPhone 6s Plusに比べて手ブレしやすい……のではなく、ISO感度を上げてシャッタースピードを速めて対処しているわけで、結果としてどっちが手ブレしやすいかというと、さほど差は出ないということ。
動画を撮るならiPhone 6s Plusを
ただ、動画の場合は少々事情が異なる。歩きながら動画を撮る場合は、光学式手ブレ補正が効くようになったiPhone 6s Plusが圧倒的に有利なのだ。フルHDの60fpsに合わせて3機種で歩きながら動画を撮り比べてみたのがこちら。この中でiPhone 6s Plusだけ動画撮影時も手ブレ補正が効くわけで、歩きながら撮った部分の揺れ具合が全然違う。
iPhone 6s Plusはタイムラプス動画時も手ブレ補正が効くので手持ちでのタイムラプスも撮りやすくなった。まあタイムラプス撮影はどうしても長時間撮り続けることになるので、手持ちだと疲れるけど。
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