年末での影響? 速度が低下傾向も「UQ mobile」が安定して強い――「格安SIM」5サービスの実効速度を比較(au回線・Y!mobile 12月編):通信速度定点観測(1/2 ページ)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。2015年7月から続けている本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。今回は2016年12月のau回線を使ったサービスとY!mobileの測定結果を紹介しよう。
MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。
そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。この記事では、2016年12月におけるau系通信サービスとソフトバンクが提供する「Y!mobile」の通信速度を計測した結果をご紹介する。NTTドコモ系通信サービスの結果については別記事でまとめている。
本企画がより良い通信サービスを選択する際の一助になると幸いだ。
通信速度の調査方法
今回、テストを行ったのは以下の5サービス。
- UQ mobile
- mineo(Aプラン)
- IIJmio(タイプA)
- au(LTE NET)
- Y!mobile
その他の調査条件は以下の通りだ。
- 計測端末:ZenFone 3×2台
- 計測アプリ:RBB SPEEDTEST
- 計測時間帯:平日午前(8時50分〜)、午後(12時20分〜)、夕方(18時〜)の3時間帯
- 計測場所:JR横浜駅西口(午前、午後、夕方)
- 計測回数:各時間帯・場所で1サービス、上下3回ずつ(平均値を掲載)
人力のテストなので、全てのサービスを同時に測定しているわけではないことはご理解いただきたい。
通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定としている。各サービスの測定を開始した時刻は、以降の各時間帯の表を見てほしい。
平日午前:「UQ mobile」がトップだがau系は速度低下傾向
今回の測定は12月27日(火)にJR横浜駅西口前で行った。まずは午前中の測定結果をお伝えする。
ドコモ編を振り返ると、忙しくて通信が混雑しやすい年末という時期にしては、通信速度は全般的に堅調だった。au系の通信サービスとY!mobileも同じ傾向かどうか、見てみよう。
au系サービスの下り平均速度は、前月と比べて“抑えた”結果となった。1位は前月と同じく「UQ mobile」なのだが、平均21.18Mbpsで前月と比べて66Mbps近く落ち込んでいる。ただし、普段スマートフォンを使う分にはこれだけ速度が出ていれば体感的にも十二分ではある。
2位も前月と同様でau純正の「LTE NET」で平均19.84bps。こちらも前月比で14Mbpsほど遅いが、実用上は問題ない。3位の「mineo」は、平均19.16Mbps。mineoについては、au系サービスでは唯一前月よりも下り平均速度が改善している。
最下位の「IIJmio」は平均9.17Mbpsと10Mbpsを切ってしまった。au系サービスとしてはやや物足りない結果とも思えるが、体感的には十分な速度は確保している。
一方、上り平均速度も順位は下り平均速度と同じだった。トップのUQ mobileは平均10.75Mbps、2位のLTE NETは平均7.69Mbps、3位のmineoは平均6.52Mbps、最下位のIIJmioは5.36Mbpsとなった。利用している周波数帯(Band)の都合も加味すれば、これだけの速度が出ていれば十分すぎるだろう。
一方、「Y!mobile」はau系サービスを尻目に下り・上りともにかっ飛ばしている。下り平均速度は53.56Mbpsで、前月よりやや遅くはあるものの、十分すぎる速度だ。上り平均速度は43.18Mbpsで、やはり断然速い。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
UQ mobile | 8:51 | 21.18 | 10.75 |
mineo | 8:54 | 19.16 | 6.52 |
IIJmio | 8:54 | 9.17 | 5.36 |
au | 8:51 | 19.84 | 7.69 |
Y!mobile | 8:56 | 53.56 | 43.18 |
平日午後:ランチタイムも速度は伸び悩み au系トップは純正「LTE NET」
ランチタイムは、いつも通り12時20分からの測定となった。通信が混雑しやすく、MVNO勢は不利になることが多い。ドコモ編では10サービスが下り1Mbps未満となった。au系サービスとY!mobileはどうだろうか……?
au系サービスの下り平均速度では、混雑時に強い傾向にある純正のLTE NETが平均22.28Mbpsで1位を獲得。2位はUQ mobileの平均20.04Mbpsで、LTE NETとあまり変わらない速度を出した。KDDIグループがワンツーなのは、「いつものこと」になりつつある。
3位はIIJmioで平均8.36Mbps。午前中とあまり変わらず安定感がある。ワーストワンはmineoで、平均0.14Mbpsとひどい数値となった。ここまで遅いと、Webページの画像を表示するのも大変になる。たまにはランチタイムでも速くなってほしいものだが……。
一方、午前中はご機嫌だったY!mobileの下り平均速度は8.89Mbpsと急激な落ち込みとなった。上り平均速度も、本来上りが苦手なはずのau系よりも遅い2.35Mbpsに。前回(下り平均35.96Mbps・上り平均76.31Mbps)と比べると大きな落ち込みだ。Y!mobileも年末には勝てないか……。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
UQ mobile | 12:21 | 20.04 | 7.17 |
mineo | 12:24 | 0.14 | 2.49 |
IIJmio | 12:24 | 8.36 | 4.59 |
au | 12:21 | 22.28 | 7.08 |
Y!mobile | 12:27 | 8.89 | 2.35 |
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