「押入れに眠る15兆円を見える化」──ドコモ、宅配収納サービスに参入 トランクと業務提携で
ドコモが宅配収納ベンチャーのトランクと業務提携。「dリビング」内でサービスを提供開始する。
NTTドコモは9月7日、同社が運営する家事支援サービス「dリビング」(月額450円、税別)の会員向けに、宅配収納サービス「trunk」(トランク)を提供すると発表した。dリビング会員はダンボール1箱分の荷物を無料で預けられる。
trunkは、収納スペースに困った荷物を140サイズ(30点まで)のダンボールに入れて預けられる個人向けのシェアリングエコノミーサービス。預けた荷物はトランク側がアイテム1点ごとに写真を撮影、利用者は専用アプリ(iOS/Android、無料)から預けたアイテムを写真で確認、管理できる。預けられた荷物は温度と湿度が24時間管理された物流倉庫で保管するという。場所は非公開。
(シェアリングエコノミー:個人がWebサービスなどを介し、使われていないモノやリソースを共有して有効活用する取り組み)
荷物の預け入れは1箱目が無料、2箱目以降は1箱ごとに月額500円の利用料がかかる。取り出しはアプリからアイテム1点ごと、あるいはダンボールごと(手数料400円)に行える。1回の取り出しにかかる送料は800円(全国一律)で、最短で翌日に発送するという。
預けているアイテムは、価格を設定してtrunkユーザー同士で売り買いすることもできる(販売手数料は15%)。
データをアップロードするように荷物を預けられる
trunk自体のサービスは2016年8月にスタート。運営するベンチャーのトランク(東京都新宿区)とドコモの業務提携により、今回新たにdリビング内のサービスメニューとして提供を開始する。
トランクの松崎早人社長によれば、押入れやクローゼットで使われずに眠っている資産は国内で15兆円にも上る。同社はtrunkで休眠資産を見える化し、必要なときに必要な人の手元に届くサービスを目指すという。ドコモとの提携により、サービスの認知を拡大するのも狙い。
「データをアップロードするようにワンタッチでモノを預け入れ、スマートフォンで確認できるサービス。押入れやクローゼットを無限大に広げられる。今後もドコモと共に暮らしを革新するサービス創出を目指したい」(松崎社長)
松崎社長は、荷物を送るだけでアイテムごとに写真撮影される点に着目し、フリマアプリ「メルカリ」などにtrunkで撮影された写真を使って出品し、アイテムが売れたらtrunkから直接発送するといった使い方もできるだろうと話す。
ドコモはITアプローチではなく、暮らしのニーズから
ドコモのdリビングは、自宅の掃除や衣服のクリーニング、ベビーシッター、水回りのトラブル解決、設備の修繕などを依頼できる家事支援サービス。16年7月の提供開始から約1年が経過したが、ドコモの大杉俊明担当部長(ライフサポートビジネス推進部ファミリーコミュニケーション事業)はサービスの拡大を検討する中で、収納の需要が高いことが市場調査で明らかになったという。
「半年ほど前からトランクと議論を続け、業務提携に至った。ドコモのモバイル技術などを活用したITのアプローチで暮らしをサポートしていくのはもちろんだが、まずはお客さまの暮らし目線で(trunkのような)サービスを提供したい。このアプローチは他社との差別化にもつながる。dリビングの他サービスを組み合わせることで、より暮らしが便利になるだろう」(大杉担当部長)
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まず横浜市でスタートし、対象範囲を順次拡大するという。
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