分解して知る、「Apple Watch Series 3」のモバイル通信を担う部品たち:バラして見ずにはいられない(2/2 ページ)
歴代のApple Watchを見ると、新技術はまずWatchに搭載され、それからiPhoneに搭載されるようだ。今回は「Apple Watch Series 3」(セルラーモデル)を分解。気になるeSIMや、モバイル通信用のアンテナなどを見ていきたい。
無線充電方式も変更?
初代のApple WatchとSeires 2のワイヤレス充電は、円形の充電パッドを背面に磁石で付けるという方式を採用しており、Appleの認定を充電器のみ使用できる。Series 3にも同様の専用チャージャーが付属している。
Appleは間もなく自社製無線充電器を発売する予定だ。形状はお皿のようなものといわれている。価格は不明だが、「Qi」に対応した他社の充電器の価格は3000円以上のものが多い。iPhoneの隣にApple Watchの背面を接するように置くだけで充電できるのかもしれない。iPhoneの無線充電方式はQiに対応しているため、その隣に置いて充電できるとすれば、Series 3もQiの対応を開始したと推定できる。
バッテリーはどうなった?
Apple Watch Series 2とSeries 3の42mmサイズモデルに搭載されているバッテリー寸法は約26.5×18×5.15mmでほとんど変っていない。容量はSeries 2が334mAh、Series 3が350mAhと約5%増えた。容積が同じ場合、バッテリーメーカーが技術の進歩で容量をアップできることを示しているようで興味深い。リチウムイオンバッテリーのエネルギー密度は限界まで高まっている。Apple Watchを充電せずに1週間使えるようになるには、全個体電池など次世代バッテリーの登場を待つ必要がある。
リチウムイオンバッテリーがモバイル機器に搭載されて約20年。次世代バッテリーはいつ登場するのか? 現在、研究段階で数多くの試作品が存在するが、消費者が手にするには数年ではなく、5年や10年といったスパンで見る必要があるようだ。しかしその頃になるとモバイル機器の能力は再び飛躍的に向上していて、バッテリーがカラになるスピードは今と変わらないかもしれない。
Apple Watchが示す未来のiPhone
数多いウェアラブルの大半は充電用のソケットを持ち、そこにケーブルを挿して充電する。Apple Watchは初代から接続用コードがなく、充電も無線で行われている。最近のiPhoneもイヤフォンジャックがなくなってワイヤレス充電機能を搭載するなど、コードレス化への道を歩んでいる。Apple Watchに搭載されていてiPhoneに搭載されていない機能の1つに、心拍センサーがある。今後の高級スマートフォンはヘルスケア機能を搭載する傾向にあり、心拍センサーもいずれiPhoneに移植されるかもしれない。
また次世代ディスプレイとして、「マイクロLED」の名前が挙がっている。超小型のLEDをディスプレイエリアに敷きつめて点滅させ、ディスプレイ素子として利用するものである。テレビなど大型パネルでは間もなく登場するといわれているが、小型で技術難度の高いモバイル用ディスプレイへの応用にはより長い時間を要するといわれている。Appleの場合、技術テストベッドのApple Watchに最初に搭載されるのかもしれない。Watchはまだまだ見どころ満載の製品と筆者は思うが、皆さんは次にどんな新機能が思い浮かぶだろうか。
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