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スマホの充電もモバイル決済で 中国カフェのシェアバッテリー山根康宏の海外モバイル探訪記

中国では、WeChatやAlipayでのモバイル決済が普及しています。最近は、モバイル決済でシェアバッテリーも利用できます。深センのカフェで試してみました。

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 中国では、今や何でもスマートフォンで支払いができる時代になっています。しかもApple Payなどのメーカー主導のサービスではなく、「WeChat」とアリババの「Alipay」が標準。それぞれのアプリからQRコードを読み込み即座に支払いできるのです。中国では当たり前となったシェアサイクリングも、QRコードの読み込みだけで登録や支払いが完了します。

 さて、先日中国・深センの電脳街で買い物をした後に、カフェで一服することにしました。もちろんこのカフェの支払いもスマートフォンでできるのですが、テーブルに着くと何やら見慣れぬ端末が置いてありました。よく見るとUSBケーブルがつながっており、しかもQRコードも表示されています。どうやらこれ、シェア利用するモバイルバッテリーなのです。

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カフェに置いてあった、シェアバッテリー

 緑の方がWeChat、青い方がAlipay対応。設置業者は異なるようです。この端末そのものにバッテリーが内蔵されていて、スマートフォンの充電が可能。ということで緑の方の端末を試してみることにしました。バッテリー容量は16000mAhあるので、数名が使っても問題なさそう。上部にはバッテリー残量も表示されています。バッテリーが空になったら、おそらく業者が回収して充電するのでしょう。

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本体上部にはバッテリー残量が表示される

 とういことで、まずはスマートフォンをつないでみますが、充電されません。このままでは電気は一切流れないわけです。そこでバッテリー残量の横に掲示されてあるQRコードをスマートフォンのWeChatアプリで読み込んでみることにします。

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この状態では充電はできない

 するとアプリが自動的に立ち上がり、支払いの画面になります。説明を読むと60分の利用が0.1元(約1.7円)。これでiPhone 6を50%充電できるとのこと。120分を選ぶと2元(約34円)でiPhone 6を100%充電できます。なかなか丁寧な説明ですが、満充電するには2時間もいなくてはなりませんね。ということでここは1時間を選びます。その後支払い画面になるので、WeChatで支払うと、端末をケーブルに挿すように指示されます。

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WeChatからアプリが立ち上がる(左)。支払いを済ませるとケーブルが接続可能になる(右)

 USBケーブルの端子はLightning、Type-C、MicroUSBと3つに分かれています。試しに2台、Type-CとLightningでつないだところ、どちらも充電できました。ただし充電速度は遅いでしょうから、通常は1台だけつなぐ方がいいでしょう。そして接続すると、バッテリー残量の部分に残りの利用時間も表示されます。

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スマートフォンに接続すると無事充電が始まった
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残り時間も表示されるのが分かりやすい

 このように少額でシェアバッテリーが利用できる便利なサービスなのですが、問題もあります。最低利用時間が60分なので、ちょっとだけカフェに立ち寄ったときや、急用で店をすぐに出なくてはならないときなど、60分をフルに利用できません。実際に店に置いてあったバッテリーも、1台はあと20分になっており、前の利用者が使い切らずに置いていったようです。もちろんこれを他の人が使ってもいいという前提で、このサービスが提供されているのでしょう。

 そしてもう1つの問題は、シェアバッテリーの残量です。前の利用者が使い残していたバッテリーの残量を見るとかなり少なくなっていました。つまりこのバッテリーを再び使いたい場合、60分をフルに利用できない可能性があります。そのあたりはアプリの方で警告が出るのかもしれませんが、30分、いや15分くらいの短時間プランも用意してほしいものです。

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他のバッテリーはあと17分残っていた。しかしバッテリー残量はほぼ空になっていた

 中国や東南アジアなどでは店にある電源を客に開放していることが一般的ですが、店によっては電源がないこともあります。そんな場所にこのシェアバッテリーサービスが広がると便利でしょう。将来はワイヤレス充電にも対応してくれれば、ケーブルにつなぐ必要もなくスマートに充電できます。そして中国以外の国にもこのサービスが広がるかもしれませんね。

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