Apple、旧iPhoneの“減速問題”についてコメント バッテリー交換費用を3200円に値下げ
「Appleは旧iPhoneの動作を意図的に遅くしているのではないか」という疑惑について同社がコメント。減速の要因として、バッテリーの経年劣化とソフトウェアアップデートを挙げている。iPhone 6以降のバッテリー交換費用を値下げする。
ある「iPhone 6s」ユーザーが、iOSをアップデートしたら動作が遅くなったと米Redditに投稿したことをきっかけに、「Appleは旧iPhoneの動作を意図的に遅くしているのではないか」という疑惑が起きている。この件についてAppleが声明を発表した。
Appleはまず今回の件について「Appleへの期待を裏切られたと感じる方もいらっしゃるでしょう。心よりおわび申し上げます」と謝罪。その上で、意図的にApple製品の寿命を縮め、ユーザー体験を損なわれるようにしたことは一度もなく、今回の問題では多くの誤解が生まれている、としている。
旧iPhoneのパフォーマンスが悪化する要因の1つとして、Appleは「バッテリーの経年劣化」を挙げる。経年劣化によって、「特にバッテリー残量が低下している際にピークエネルギーの負荷を処理する能力が落ちるため、状況によっては結果的にデバイスが突然シャットダウンする場合がある」としている。
もう1つが、OSアップデートや、バグ修正の小規模なソフトウェアアップデートによるもの。後者については2017年1月に配信した「iOS 10.2.1」が該当し、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone SE上での予期しないシャットダウンを防ぐため、ピーク負荷時の電力管理を向上させるアップデートを提供した。一部のシステムコンポーネントの最大パフォーマンスを動的に管理するものだが、場合によってはアプリの起動時間が長くなったり、パフォーマンスが低下したりする可能性があるという。このアップデートは「iOS 11.2」でiPhone 7とiPhone 7 Plusにも実施している。
これらの要因によって、旧iPhoneのパフォーマンス低下が起こりうるとAppleは考察。疑惑によって失われた信頼を取り戻すべく、Appleは以下の対応を行う。
- iPhone 6以降のモデルに対して、保証対象外のバッテリー交換費用を8800円から3200円に減額する。この対応は2018年12月まで全世界で継続。詳細は近日中にapple.comで告知する
- 2018年初頭に実施するiOSのソフトウェアアップデートで、iPhoneのバッテリーの状態をユーザーに分かりやすく示す新機能を提供する。ユーザーはバッテリーの状態がパフォーマンスに影響を与えているかどうかを確認できるようになる
- バッテリーの経年劣化に伴うパフォーマンス管理の改善と、予期しないシャットダウンを防ぐ対策強化などの取り組みを続ける
上記の対応に加え、「すぐにバッテリーの交換を行えるよう準備が整いました。ただ、初期のバッテリーの供給には限りがあります」との声明も発表した。
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