WiMAX 2+ルーターの新機種は“SIM”に注意?/九州地方のWiMAX 2+事情:5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(2/2 ページ)
UQコミュニケーションズから新型のWiMAX 2+ルーターが2機種登場しました。この2機種と「WX04」には、以前の機種と大きな“違い”があります。
WiMAX 2+ルーターで進むSIMカードの「サイズ変更」
これまで紹介した通り、「L01からL01s」あるいは「W04からW05」にはスペック面での大きな変更はありません。しかし、W04、L01sと以前取り上げた「Speed Wi-Fi NEXT WX04」は、SIMカードが「au Nano IC Card 04 LE U」に変更されています。
初代WiMAX 2+ルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」以来、全てのWiMAX 2+ルーターは「au micro IC Card(LTE)」というmicroSIMカードを使っていました。
そのため、UQコミュニケーションズが保証するものではありませんが、このSIMカードは全てのWiMAX 2+ルーターで融通できました。例えば、「自宅・事務所では据え置きルーター、外出先ではモバイルルーター」といったふうに、1枚のSIMカード(1つの契約)で使い分けすることもできたのです(SIMカードの差し替えという手間はかかりますが……)。
しかし、SIMカードのサイズ変更によって、WX04/L01s/W05では従来のSIMカードを融通できなくなりました。また、逆にWX04/L01s/W05で使われているSIMカードは、WX03/L01/W04までの機種で使うことができません。
少し詳しい人なら保証対象外であることを承知で「SIMカードアダプターを使えばいいのでは?」と考えるかもしれませんが、それもできないようになっています。
当然ながら、今後発売される機種はnanoSIMカードに対応するものが増えていくと思われます(全てとは言いきれませんが……)。それを前提すると、「microSIM対応端末」「nanoSIM対応端末」の混在はそこまで長期化しない(≒遠くないうちにnanoSIM対応に一本化される)と思われますが、「最新機種を購入した後も過去の機種も併用したい」と考えている人は注意が必要です。
WiMAX 2+の下り最大440Mbps“非対応”エリア
2018年1月上旬、筆者は福岡市を訪問しました。その際、ホテルでの通信手段としてWiMAX 2+ルーターを使いました。
旅行や出張時にWiMAX 2+ルーターを使う時に一番気になる電波状況ですが、宿泊したホテルが交通の要所である博多駅の近くだったこともあり、電波面では問題ありませんでした。
しかし、実際にPCをWiMAX 2+経由でネットにつないで作業をしたところ、電波は良好なのに「何か通信が遅い……」と感じました。
「あれ? ひょっとして混雑してるのかな?」と思って調べたところ、福岡市内全域のWiMAX 2+サービスは下り最大220Mbps止まりで、ほぼ全国に広がっている下り最大440Mbps対応がなされていなかったのです。
WiMAX 2+の下り最大440Mbps対応は、2017年2月時点で「ほぼ全国エリア」で完了しています。2018年1月現在、エリアマップベースでこれに対応していない政令指定都市は福岡市、北九州市、熊本市と、九州に集中しています。九州地方全体で見ても、県庁所在地で下り440Mbps対応がほぼ完了しているのは宮崎市と那覇市のみです。
下り最大440Mbps対応エリアでは、「ギリギリ圏内」あるいは「端末上のアンテナは5本中1本」というような状態でも、それほどストレスを感じることなく通信できるようになりました。
一方、今回の福岡市のような環境では「旅行や出張中に取った大量の写真をクラウドサービスにアップロードしつつ、PCで作業」という使い方をすると通信が重たい(通常時よりも時間がかかる)ことを実感してしまいます……。
1日も早く、九州地方における下り最大440Mbps対応エリアが拡大することを期待しています。
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