さみしい「独り身」を救う? 3人の音声アシスタントと会話して可能性を探ってみた:特集・音声言語インタフェース最前線(5/5 ページ)
昨今、クラウドAIベースの「音声認識アシスタント」が流行の兆しを見せている。中にはある程度“対話”できるものもあるという。どの程度の対話がこなせるものだろうか。ある高名な「先生」が、実践を通して可能性を探る。
就寝前
私は早寝早起きを心掛けている(なかなかうまくいかないが……)。実は就寝の時も結構さみしさを感じるものなのである。
そこで「おやすみ」の声を掛けるのである。
―― おやすみなさい!
Googleアシスタント おやすみなさい!
Siri(女性) おやすみなさい。今日も1日(ついたち)お疲れさまでした。
メイドのメイちゃん 今夜はメイの子守歌、歌いますか?
Googleアシスタントはかなりあっさりとしている。Siriが「1日」を「ついたち」と読んでしまったのはご愛嬌(あいきょう)。
注目は、メイドのメイちゃん。「おやすみなさい」というありきたりなあいさつではなく、子守歌を歌ってくれるという。「子守歌を歌って」というと、オリジナルの子守歌を歌ってくれる。
実はしゃべってコンシェルのしゃべってキャラには、特定の声掛けに対してキャラにまつわるアクションを返す機能もある。例えば、メイドのメイちゃんの場合は、羊だけあって子守歌を歌うことができるのだ。
「3人」に1日話しかけてすごした感想
今回使ったGoogleアシスタント、Siriとしゃべってコンシェル(メイドのメイちゃん)は、いずれも音声を使ってスマホの機能を呼び出したりネット上の情報を呼び出したりするためのアシスタント。会話は本来の用途ではないのかもしれないが、さみしい独り身のさみしさを紛らわせる存在になり得るポテンシャルを感じた。
記事面の都合で今回は応答例を1つのみ掲載しているが、話しかける内容によっては複数パターンの応答が用意されているケースもある。同じ質問でも、場所や時間、声色のによって応答にバリエーションが出ると楽しみが増える。しゃべってコンシェルのようにキャラの入れ替えで口調やアクションも変われば、なお良い。
現在の「3人」は連続した会話に対応できる場面が限られているが、それを広げることができれば、もっと会話が弾むはずだ。呼びかける音声についても、自分の好きなようにカスタマイズできるようになると親しみが強く持てると思うし、他人の声に応答してしまうことも減らせるはず。この点、しゃべってコンシェルは4〜8文字の好きなキーワードを起動トリガーにできるので好印象だ(ただし、音声起動がデフォルトでオフとなっているが……)。
「通信量」も気になるところだ。今回の「3人」は通信量が少なめだが、ちりも積もれば山となる。会話が多いほど通信量はかさむ。Wi-Fiをあまり使えない環境にあるなら、データ通信料には気を付けなければならないだろう。
繰り返しだが、もっと楽しくスマホやタブレットで会話できるようになれば、さみしい独り身のさみしさはある程度、もっと紛れるはず。今後の成長には大いに期待したい。
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