「ローミングサービス」「貼るSIM」「クラウドSIMスマホ」でより便利になる海外データ通信:5分で知るモバイルデータ通信活用術(2/3 ページ)
以前は「高い」と言われていた海外でのデータ通信サービスも、だいぶ価格がこなれてきました。今回のモバイルデータ通信活用術では、ドコモの「パケットパック海外オプション」のキャンペーンや、H.I.S.モバイルの「変なSIM」、uCloudlinkの「クラウドSIMスマホ」をチェックしていきます。
「貼るSIM」が国内で登場
旅行会社のエイチ・アイ・エス(H.I.S.)とMVNOの老舗である日本通信が設立した合弁会社「H.I.S.モバイル」が、7月1日に「変なSIM」という海外渡航者向けプリペイドSIMカードを発売しました。SIMカードの本体価格は1980円(税込)ですが、9月30日まではキャンペーンとして990円(税込)で購入できます。海外でのデータ通信料金は、200MBの高速通信容量付きで1日500円です。
変なSIMは、サービス発表会の際に、通常のSIMカード(変なSIMプラスチック)に加えて既存のSIMカードの上から“貼る”タイプも提供されると予告されましたが、その通りに両タイプが発売されました。
注目は「サブSIM」とも呼ばれる貼るタイプのSIMカード。いつも使っているSIMカードの上から貼り付けて端末に差し込むだけで、海外渡航時のデータ通信料が割安になる――かなり魅力的に思えます。
しかし、貼るSIMには少なからず注意点もあります。
まず、貼るSIM自身が破損しやすいということ。
端末のSIMカードスロットは、SIMカードの厚みギリギリで設計されていることが多いです。標準的な厚みから少しでも増してしまうと、スロットに入らなかったり、入ったとしても取り出せなくなったりする可能性があります。
そこで厚みを極力増やさないようにすべく、貼るSIMはかなり薄く作られています。ゆえに折れ曲がって壊してしまう可能性があるのです。
そのようなこともあってか、H.I.S.モバイルでは端末に装着できなかった場合に限り、カードの到着から10日以内に申し出ることでプラスチックタイプのSIMカードに交換するサービスを行っています。
また、端末によっては貼るSIMが正常に動作しないという問題もあります。
貼るSIMは、アプリを使ってSIMカードの「切り替え」を行います。iPhoneやiPadなら、動作確認が取れているものならほぼ確実に動くのですが、Android端末の場合、切り替えに必要なシステムアプリが存在しないか、アプリが想定しているものと仕様が異なるために使えないことがあるのです。
これらを踏まえると、より確実に使いたいなら、最初からプラスチックタイプのSIMカードを申し込んだ方が無難といえそうです。
なお、貼るタイプもプラスチックタイプも、SIMロックフリー端末、またはSIMロックを解除した端末で使う必要があります。注意しましょう。
以前、香港の「信京電訊」というMVNOが提供している「AIRSIM」を紹介しました。
このAIRSIMですが、日本でも正規代理店を通して購入できます(参考リンク)。
変なSIMと似たサービスですが、AIRSIMには周遊パッケージや複数日のデータパックなども用意されています。アプリやサポートなどは原則として英語になりますが、使い方次第では変なSIMよりもおトクです。
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