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XiaomiがMeituを飲み込みGioneeが破産した理由は? 2018年の中国スマホ市場を振り返る山根康宏の中国携帯最新事情(3/3 ページ)

2018年の中国市場では、中小メーカーにとっては苦しい展開となった。シェア拡大を目指すXiaomiとそれを提携の相手に選んだMeitu。この2社の動きは中国メーカーの統廃合の動きを加速させるかもしれない。

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2級メーカーは生き残れない状況に

 海外進出も積極的な大メーカーとなったXiaomiと提携したMeituはこれで一息つける格好となった。しかし、他の中小のメーカーにとって2019年の見通しは先が見えないのが実情だ。2019年も大手メーカーは次々と新製品を投入するだろうから、それにどう対抗すべきか今から頭を抱えていることだろう。

 Xiaomiとコスパハイエンドモデルで競っていたMeizuは、2018年も販売数を伸ばせておらず、製品の乱発で対抗したが効果は上がっていない。フラグシップモデル「Meizu 16」もディスプレイサイズ、カメラ、プロセッサなどどれも他社と代わり映えしない製品にとどまっている。低価格モデル「Meilan」が売れたことでラインアップを拡充していったが、低価格競争に力を入れたメーカーはこれまでもみな窮地に陥っている。CoolpadやLenovoの過ちをMeizuは繰り返してしまっている。

Meitu
一時の勢いが全く見られなくなったMeizu。製品も数が多すぎる

老舗Gioneeは悲劇の破産

 Mobile World Congressにも出展し、一時はインドでシェア上位にも躍り出るほど元気のあったGionee(ジオニー)も、2018年に入ると目立った新製品を投入できず急激に失速してしまった。歴史のある携帯電話メーカーだったが、2018年に息絶えてしまった。そして創業者の不祥事もあり巨額の赤字をかかえ倒産となってしまった。「カジノで一千億円を失った」という、今どきジョークとしか思えない事件を起こしたのは老舗の企業ならではの気の緩みにしてもひどすぎる。

Meitu
創業者がカジノで大敗、事業存続が困難となったGionee

 2019年は5Gの商用展開が各国で開始される。また音声による操作など、スマートフォンのUI(ユーザーインタフェース)にも新たな技術が搭載されるだろう。そしてカメラ性能は今よりもさらに進むだろう。もはや自社で新しい技術を開発できない企業は取り残され、価格だけでは生き残れなくなる。中国市場はこれからさらに弱肉強食の時代を迎えることになりそうだ。

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