楽天のネットワークは「携帯業界のアポロ計画」 三木谷社長らが語る:MWC19 Barcelona(3/3 ページ)
楽天の三木谷浩史社長が「MWC19 Barcelona」において基調講演「The Next Generation」に登壇。MNO(キャリア)として活用するネットワークの優位性を説明。地下でも利用可能にする他、災害時の対策も行うという。
災害時の対策も行う
―― 日本は災害が多いが、自然災害に対してどういう備えを考えているか。
山田氏 総務省から電波の割り当てを受けて、国民の貴重な共有財産である電波を使わせていただいているということで、社会的責任は重要だと思います。自然災害についても万全の対策を施していこうと考えています。基地局が物理的なダメージを受ける可能性がありますが、新規参入ですので、工事会社さんに優先してもらえない場合もあると思っています。そのために、場合によっては多少お金を払っても、きちんと契約ベースで復旧のための人員を平時から確保していくようなことも考えています。
―― アミン氏は楽天で革新的なネットワークを作って、今秋に稼働できたら、楽天でのミッションはある程度、達成したと考えるのか。それとも楽天でまだやりたいことがあるのか。完成した後の考えを知りたい。
アミン氏 もちろん、まだまだやることはたくさんあります。楽天クラウドプラットフォームを日本で始めて、日本のアーキテクチャとしてしっかり進めながら、世界に広めていきたい。もう1つはVoiceAIですが、こちらを統合することで、現在のオペレーションをより扱いやすくしたいと思っています。
auのローミングはあくまで過渡期の措置
―― 新規参入なので、既存のキャリアがやっていないようなサービスをユーザーは期待していると思う。本当に新しいことをしようとすると、自前でネットワークを持っているエリアになると思うが、楽天らしい取り組みはいつ頃提供できそうか。
山田氏 ネットワークの拡大については、相当なスピードで全国に展開しようと思っています。KDDIさんにお願いするローミングはあくまで過渡期の措置なので、最終的には自前のネットワークを持たないといろいろなことができない。7年(KDDIのローミングが終わる2026年まで)とかいう話ではなく、かなり前倒しでネットワークを拡大していきたい。
クラウドベースのネットワークは非常に柔軟性がある。自分たちでいろいろなサービスを展開することもできますが、5Gの肝は、いろいろな事業者さんと連携できること。事業者さんがネットワークを使って何かをしたいときに、いかに柔軟に対応できるかが肝です。面白いアイデアを実現するには、クラウド化された僕らのネットワークが一番適していると思います。
アミン氏 当面は今のプラットフォームをしっかり作っていくことになると思いますが、将来的にクラウドとエッジサービスの組み合わせで新しいことをやりたいと思っています。エッジサーバを置くことによって、CDN(Content Delivery Network)やOTTのサービスを提供可能にしていこうと思っています。
これは楽天だけでやることではなくて、他のパートナーさんのエコシステムをうまく使いながら、最終的には例えばエッジサーバからいろいろなAPIを提供して、そこにいろいろな方々がアプリケーションをホストできるような仕組みを作れば、独自の新しいサービスを作っていけると考えています。
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