「Pixel 3a」のコスパを検証する カメラや基本性能は「Pixel 3」とどう違う?(1/3 ページ)
GoogleからミドルクラスのAndroidスマートフォン「Pixel 3a」が発売された。5万円前後でおサイフケータイや高画質カメラを搭載した、高コスパのSIMロックフリースマホとしても注目を集めている。その性能を確認すべく、ハイエンドの「Pixel 3」と比較した。
GoogleからミドルクラスのAndroidスマートフォン「Pixel 3a」が発売された。今回のモデルは最新OSやサービスをいち早く利用できるスマホというだけでなく、5万円前後でおサイフケータイや高画質カメラを搭載した、高コスパのSIMロックフリースマホとしても注目を集めている。【訂正あり】
また、分離プラン時代のNTTドコモやソフトバンクのキャリアモデルとしても魅力的な端末だ。本機の特徴や性能について、2018年に発売されたハイエンドモデル「Pixel 3」とも比べつつ見ていこう。
ミドルクラスでは高コスパ・高画質、さらにOS更新が3年保証
Pixel 3aは、2018年11月に発売されたハイエンドのPixel 3のイメージや機能を受け継ぎつつ、5万円前後の価格に収めた。よりディスプレイの大きな「Pixel 3a XL」も6万円台で販売されているが、コスパを求める人にとってはPixel 3aが本命といえる。
なぜPixel 3aのコスパを強調するかというと、前述の通り5万円前後で高画質カメラやプロセッサにミドルクラスでも上位のSnapdragon 670搭載なのに加えて、モバイルSuicaなどを利用できるおサイフケータイに対応していること、そしてOS更新の3年保証が大きい。
おサイフケータイについては、ドコモのdカードと連携させた「iD」も利用可能になったので、ドコモ版の購入を考えている人も選びやすい。
Pixel 3aはGoogle製だけあって、発売から3年後の2022年5月まで、最新OSとセキュリティアップデートが提供される。通常のユーザーにとっては長く使えるスマホとして安心して利用できる。GoogleマップのARナビのように、Pixelシリーズの端末はGoogleの最新サービスをいち早く試せるので、アプリ開発者がレファレンス機として購入するのにも適している。
現時点でARナビはα版で、本人が静止した状態かつ、スマホを持ち上げた場合のみ実写映像とARのナビが表示される、慣れない場所では便利な機能といえる。生活がすぐに劇的に便利になる機能ではないが、新サービスが気になる人は試してみるといいだろう。
Pixel 3から何が変わった?
ここからは、Pixel 3aの外観や使い勝手について、ハイエンドのPixel 3と比較しつつ見ていこう。Pixel 3aはPixel 3から必要以上の機能をうまく外しつつ、必要な機能の多くを残したモデルとなっている。
Pixel 3aのPixle 3からの主な変化点
- プロセッサはハイエンドSnapdragon 845からミドルクラスSnapdragon 670に
- おサイフケータイには引き続き対応
- ヘッドフォン端子を新たに追加
- ストレージは64GBのみ
- 耐水だが防水・防塵(じん)には非対応
- ワイヤレス充電には非対応
- カメラは同等のものを搭載、インカメラは1つになった
有機ELディスプレイの画面サイズはPixel 3aが5.6型フルHD+(1080×2220ピクセル)で、Pixel 3の5.5型フルHD+(1080×2160ピクセル)より大きい。なお解像度は異なる。
発色やコントラストは両方とも良好だが、比べると黒の締まりや鮮やかさはPixel 3の方が良い。ただ、Pixel 3aの有機ELの色味はPixel 3 XLと似ており、調達先や個体差によって違うだけという可能性もある。
なお、Pixel 3aスペック表にはPixel 3にあったHDR サポート(UHDA 認証)の表記はないが、YouTubeアプリではHDR対応ムービーを色鮮やかに再生できた。
サウンドに関しては、受話部分と底面にステレオスピーカーを搭載。Pixel 3の前面ステレオスピーカーと比べて音量の大きさや低音の迫力はやや劣るが、ミドルクラスのスマホとしては納得できる品質だ。自宅などで動画やゲームの音を快適に楽しめる。
Pixel 3aはヘッドフォン端子を搭載しているので、USBの変換アダプターを用意せず、気軽に有線のヘッドフォンで音を楽しめる。もちろんワイヤレスでもAACやaptXに加え、aptX HDやLDAC対応の高音質のヘッドフォンを接続できる。
背面パネルはPixel 3がガラスで、Pixel 3aがポリカーボネートだが、Pixel 3aの表面処理は、Pixel 3の擦りガラスっぽい表面処理に似せており、見た目ではそこまで違いを感じない。ただ、Pixel 3aのパネルは長期間利用していると傷が付きやすそうに感じられた。長く使うなら保護ケースを付けた方がいいだろう。
本体は重量147gで厚さ8.2mmと軽量スリムなので、長時間持っても疲れにくい。横幅は70.1mmと、片手持ちでの親指操作をするにはギリギリのサイズといえる。片手持ちでの操作やフリック入力を使う場合は、本体を握るとGoogleアシスタントが起動する「Active Edge」の感度をやや低く設定しておいた方が使いやすいだろう。
UI(ユーザーインタフェース)は、Android 9標準の下からスワイプでタスクを切り替えるタイプだ。以前のAndroidの3ボタン操作(ナビゲーションバー)に戻すことはできない。
【訂正:2019年6月10日9時49分 初出時に、Pixel 3とPixel 3aのディスプレイ解像度、Pixel 3aの本体幅が誤っていました。おわびして訂正致します】
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