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DMM mobile買収で契約増の楽天モバイル ただしMNOとMVNOの両立は不可に? ドコモ吉澤社長は不快感石野純也のMobile Eye(2/2 ページ)

楽天モバイルが、DMM.comのMVNO事業であるDMM mobileを買収する。事業の移管は9月1日を予定しているが、不透明な部分も大きい。一方、MVNOとMNOの両方を展開することについて、ドコモの吉澤社長は「MVNOは解消してもらいたい」と不快感をあらわにした。

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MVNOとしての楽天モバイルには、批判の声も

 ただ、こと楽天モバイルに関しては、MNOに新規参入するため、今後も同様の手法で規模を拡大できるかどうかは未知数だ。ドコモやauの回線を使ったMVNOとしての楽天モバイルユーザーを、自社回線にどう移行させていくのかも課題といえる。楽天モバイルでは、3月14日の10時以降に新規契約したユーザーには、10月以降、自社回線のSIMカードを送付する予定だが、切り替えはあくまでユーザーの任意となる。3月14日の9時59分までに契約したユーザーに対する移行方法も、現時点では発表されていない。

 auと楽天、双方のVoLTEに対応しなければいけない関係もあり、現状では対応端末も限定的だ。主にシャープやOPPO、一部のHuawei端末がMNOとしての楽天モバイル回線に対応するが、それ以外の端末の扱いをどうするのかは確定していない。仮に買い直す必要が出てくると、それだけ移行が遅れてしまうおそれがある。

楽天モバイル
3月14日10時以降に契約したユーザーには、自社回線のSIMを送付する予定。ただし、対応端末を持たないユーザーに対する措置は発表されていない

 料金プランはMVNOのものが継続される予定だが、エリアがどこまで広がっているのかが不透明な部分もあるため、ユーザーは慎重になるかもしれない。特にローミングでauの回線を利用できない東京、名古屋、大阪では、楽天モバイルの自社回線に切り替えた途端、普段つながっていた場所で圏外になってしまう事態も想定される。特に、ビル内や地下街などのエリア化は、屋外以上にオーナーとの交渉などに時間がかかり、都市部であれば、その数も膨大だ。楽天モバイルの持つ周波数が1.7GHz帯(Band 3)であることを考えると、1つ1つの基地局でカバーできる範囲にも限界がある。

楽天モバイル
基地局からコアネットワークまでを仮想化した楽天だが、エリアをどこまで広げられるかが未知数だ

 MNOとして自社でネットワークを持つ事業者が、他社の回線を借りることをどう整理するかも、今後の課題といえる。中でもドコモは、自社でサブブランドを持たないこともあり、MNOが展開するMVNOには批判的だ。ドコモの吉澤和弘社長は筆者のインタビューに答える形で、「楽天モバイルとして(自社回線を)始めるからには、基本的にMNOとしてやっていただく。MVNOは解消してもらいたい」と不快感をあらわにした。吉澤氏によると、KDDI傘下でドコモ回線を使うビッグローブとは「既に話をしている」という。

 ただし、現行のルールでは、MNOだからというだけで相互接続は拒否できない。MVNEを介してしまうと、MNO側は回線を使われていることすら事前に関知できないため、すぐに関係を解消するのは難しいはずだ。一方で、ネットワークのエリアや品質は、キャリア同士が競争することで向上してきた経緯もある。安易にMVNOとして回線を借りられるのは、この競争環境をゆがめてしまう恐れもある。吉澤氏は「もっと影響が出てくるのであれば、声は挙げていこうと思っている」と語っていたが、総務省が何らかのルールを作る時期に差し掛かっているのかもしれない。

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